![]() | タイトル | |
著 者 | 有川 浩 | |
形 態 | 文庫 | |
レーベル | 角川文庫 | |
出 版 社 | 角川書店 |
読書好きなら絶対読むべし!
昔から「少女小説」と呼ばれるジャンルが大好きな管理人ですが、中高年と呼ばれる年代になると色々物語の”粗”が見えてしまい、物語に入り込めないこともしばしば。
が。
ちょっと何これ!?と叫びたくなる程はまったのが「図書館戦争」シリーズ。
読書好きならまずはこれを読め!
そう上から目線で勧めたくなったこのシリーズは、近年読んだ中でも5本の指に入る程のお気に入りです。
それでは、レビュー開始。
空想ともいえぬ世界観
お父さん、お母さん、お元気ですか。
私は元気です。
(略)
念願の図書館に採用されて、私は今毎日軍事訓練に励んでいます。
唐突に不釣合いな言葉から始まるのは「図書館戦争」。
物語は、現代社会と限りなく近く、ただある一点において大きく異なった架空の世界。
それは、
公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律として「メディア良化法」が成立・施行された
社会。
「メディア良化法」とは何か?
簡単に言うと言葉狩りです。
検閲が行われ、公序良俗にそぐわないと判断された書物は出版が差し止められたり、書店から実力行使で持ち去られたりすることも。
「図書館法」による対抗
図書館法第四章 図書館の自由
第三十条 図書館は資料収集の自由を有する。
第三十一条 図書館は資料提供の自由を有する。
第三十二条 図書館は利用者の秘密を守る。
第三十三条 図書館はすべての不当な検閲に反対する。
第三十四条 図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る。
本の主題とは違う部分で言葉が取り上げられ、有無を言わさず取り上げられてしまう社会。
自由を求める為に成立した「図書館法」。
主となる本題よりもささいな言葉が取り上げられ、槍玉にあげられ撤去されてしまう。
検閲を潜り抜け発行していく内に、本はとんでもなく高価なものに。
自由に読書をすることに不自由な世界が、この図書館戦争シリーズの中の世界です。
個人的に読書を楽しむことが不自由な世界の中で唯一の砦が「図書館」であり、その攻防は、今や良化委員会との武力抗争が常態化する程激化している。
という訳で、図書館に就職することが決まり、新人教育として苛烈な戦闘訓練を受ける冒頭のシーンに繋がる訳です。
《少女小説》カテゴリでのレビューをしていますが、こちらは一般書として発行されている作品です。
作者が近所の図書館に掲げてあった「図書館の自由に関する宣言」から着想を得て作り上げたこの作品。
笑いあり涙ありの娯楽作品・・・と見せかけて(いや、作者は見せかけるつもりもないのかもしれないけれど)、実は一貫して裏に重いテーマがあり老若男女、特に普段から読書にいそしむ人間に響くところのある物語であり、それが漫画・アニメ・実写化とメディアミックスされ爆発的な人気を得ることになった理由だと思います。
少女小説に区分けしたいその理由は
前にも述べましたが、この作品は一般書籍の分類に入ります。
が、管理人は《少女小説》カテゴリに分類させていただきました。
その訳は 。
ナニコノ笑いあり涙ありの甘酸っぱい恋愛模様。
思わずそう呟きたくなる恋愛物語なんですよ!
主人公笠原郁(かさはら いく)は、男子の中に混じって軍事訓練に参加してもそこそこの順位に入る程、身体能力に優れた女子。
高身長、さばさばした性格は、茨城でお兄ちゃん’Sに揉まれて育った成果か。
図書館に入る上で戦闘職種である防衛員を第一志望にしたその理由は、過去の大切な思い出があるからで 。
さばさば女子の主人公の乙女な一面(王子様発言)だとか、鬼教官・堂上とのルール無用のセメント対決とかめちゃくちゃ笑える描写あり、恥ずかしさに悶絶するようなエピソードあり。
これ、少女マンガだよ!
と叫びたくなるようなトキメキ有の物語でした。
キャラが全員立ってます
面白い物語に共通するように、登場人物全員が個性的でキャラが立ってます。
訓練が終わり、防衛員の中でもスーパーエリートと呼ばれる図書館特殊部隊に配属された郁の周囲の人間も個性的。
配属された班の班長は、身長が低く主人公の郁と何かとぶつかる鬼教官であった堂上(どうじょう)。
その同期で副班長は、笑い上戸で物腰柔らかく穏やかだけど、実は正論を行動原理とし時に厳しいところのある小牧(こまき)。
そして生まれも育ちもエリートで、郁と同時に特殊部隊に配属されることになった手塚(てづか)。
郁と寮で同室になるのは、美人で情報収集に長けた柴崎(しばさき)。
恋愛物だと書きましたが、実際は、図書を守る抗争の中での個性的な面々との係わり合い、図書館で次々と起こる事件が主です。
打てば響くような裏のない元気な主人公と周囲との掛け合いは、本当楽しい。
裏にあるテーマは重いけれど、そんなことを気にせずに、ただただ笑って楽しめる作品でもあります。
■ブックデータ
タイトル:図書館戦争
著 者 有川 浩 イラスト 徒花 スクモ 形 態 文庫 レーベル 角川文庫 出 版 社 KADOKAWA/角川書店
【シリーズ一覧】 1. 図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) 2. 図書館内乱 図書館戦争シリーズ (2) 3. 図書館危機 図書館戦争シリーズ (3) 4. 図書館革命 図書館戦争シリーズ (4) 5. 別冊図書館戦争 1―図書館戦争シリーズ(5) 6. 別冊図書館戦争II (図書館戦争シリーズ 6)
【管理人評価】
・満足度 ★★★★★(傑作!文句なしの星5つ評価)
・イメージキーワード
「楽しい」「笑える」「泣ける」「恥ずかしい」「王子様」「スポ根」
・読後の感想
「大好き!この読んでいて恥ずかしくなるところがたまらない・・・。」
【購入可能サイト】
・Amazon
図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)
・楽天kobo
図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1)【電子書籍】[ 有川 浩 ]
・Renta!
なし
・eBookJapan
【割引版】図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1)
・honto
【期間限定50%OFF】図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1)
【余談】
シリーズ物ですが、絶対順番を守って読むべきです。(断言)
色々なエピソードが繋がって次の作品に進むので、ネタバレ要素もあり、順番を変えると楽しさ半減かと。
あとシリーズとしては全6冊ですが、番外編である《別冊》シリーズ2冊は、口から砂糖を吐きたくなる程のべた甘恋愛系な話なので、恋愛物が苦手な人は覚悟が必要。
特に男性は大丈夫ですかなべた甘加減。
管理人個人的には満足ですが、『これってやっぱり少女小説だよなー。』と思いながら読んでいました。
『少女マンガみたい』と管理人が思ったこの作品は、マンガ、アニメ、映画化までされています。
が。
良化法であったり図書館防衛隊の成り立ち等の細かい説明が省かれているので、まずは小説を読むことをオススメします。
映画の口コミ等で幾つか見かけた『何で武器を持って戦争なんてしてるの?』という感想は、やはりそうした省かれた部分が原因な気がします。
シリーズ一作目「図書館戦争」を読んで、その世界観、ノリにはまれば最後まで楽しめるかと。
管理人は、一冊目を読み終えて、すぐに書店に走り全作品購入しました。
本当、こういう作品どんどん出てこないかな。
久々にどはまりした作品です。