タイトル | 女王陛下は醜聞を避けたい | |
著 者 | Hk | |
イラスト | コシキ | |
形 態 | 文庫 | |
レーベル | ミーティアノベルス | |
出 版 社 | ミーティアノベルス |
心安まる幼馴染との結婚直前の破談
人からの評価を気にして心配性な王女・ベアトリスと宰相である公爵家嫡男・ギルバートは物心ついた頃から一緒にいる幼馴染。
からりとした性格でベアトリスの性格を熟知している彼は、すぐにネガティブな感情で死にそうになるベアトリスの心を軽くしてくれる“心の聖域”。
幼い頃から結婚内定状態だった二人の婚約が確定となる直前、王である兄が急逝する。
兄の息子が即位するまで“繋ぎの女王”として即位しなくてはならなくなったベアトリスは、ギルバートに宣言する。
「私は女王になるけれど、結婚はしないし、子どもも生まない」
果たして、二人の道は再び交差するのか?
それでは、レビュー開始。
気の置けない幼馴染との平穏な日々
「ビーは気にしすぎ、そこまで皆、他人に関心ないよ」
「ギルはそうかもしれないけど」
冒頭から繰り広げられる二人のほのぼの会話に和みます。
心配性で後ろ向きなベアトリスをなだめ、気を楽にする言葉を口にする幼馴染。
その二人の関係は、恋愛関係というよりも兄弟・家族の様。
王女と公爵嫡男という身分の高い二人だけど、そのやり取りは、ほのぼの可愛らしい雰囲気が漂います。
公爵夫妻にも歓迎されて、仲が良い温かな家庭を築くんだろうなぁ。
そんな幸福な未来しか想像できない二人の関係が唐突に壊れたのは、王である兄の急逝。
兄の子どもは、まだ8歳。
彼が王位に就くまでの“繋ぎの女王”となることを決意したベアトリスは、ギルバートに別れを告げる。
考え過ぎる性格だから・・・
女王になって結婚出来ない訳ではないんですよね。
だけど、他人のことを何よりも優先して考えてしまうベアトリスは、女王と結婚し王配となることで、優秀なギルバートが将来宰相となる未来をなくしてしまうことを憂いてしまう。
結婚して子どもを作ることで義姉が自分の息子が本当に王位に就けるのか、不安になることを憂いてしまう。
考えて考えて自分の幸福を後回しにしてしまうベアトリス。
切ないです。
二人の絆は戻るのか?
熱烈な恋愛物語はないです。
物心ついた時から共にいた気の置けない幼馴染。
そんな二人の関係は、ほんわか温かなもの。
ベアトリスが女王になってから、宰相であるギルバートの父が側にいる訳ですが、やがてギルバートも出世して目の届く場所で働くようになる。
でも女王と臣下。
側にいるけど、昔の親密さも皆無だし、熱烈にギルバートが復縁を迫る訳でもない距離感。
女王である間も、王位を甥である兄の息子・カインに譲る時も頻繁にあげられるベアトリスの結婚話。
はたして、ベアトリスは幸福な結婚が出来るのか?
恋愛というよりも幸福を掴む物語だと思います。
■ブックデータ
タイトル:女王陛下は醜聞を避けたい
著 者 Hk イラスト コシキ 形 態 文庫 レーベル ミーティアノベル 出 版 社 ミーティアノベル
【管理人評価】
・満足度 ★★★★☆(好き)
・イメージキーワード
「幼馴染」「両片思い」「身分差」
・読後の感想
「優しい恋愛の話」
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【余談】
物語自体は、意外とあっさり短めです。
熱烈ではない優しい恋愛って、良いなぁ。
あと、ベアトリスの甥であり次期王であるカインが中々良いです。