タイトル | ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~ (一迅社ノベルス) | |
著 者 | 中村 颯希 | |
イラスト | ゆき哉 | |
形 態 | 文庫 | |
レーベル | 一迅社ノベルス | |
出 版 社 | 一迅社 |
“蝶”と“ねずみ”の入れ替わり
後宮に集められた五家から集められた未来の妃候補“ 雛女”たち。
その中でも誰からも愛される病弱で可憐な黄家の雛女である玲琳は、ある事件を元に誰からも蔑まれ嫌われている“雛宮のどぶねずみ”慧月と身体が入れ替わってしまう。
蝶と称えられる愛され雛女から、蔑まれ見下されるどぶねずみ扱いへ。
困難に直面した主人公の行動が爽快な「ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」。
それでは、レビュー開始。
美しい雛女達が競い合う後宮の過酷
皇太子尭明の後宮に収まる予定の有力五家から集められた5人の雛女たち。
その中でも主人公の玲琳は、別格。
既に皇太子の好意も明らかで、皇后となることが確定視されているにも関わらず、周囲もそれを認める程の才色兼備で慈愛深いその様から“殿下の胡蝶”と称される程。
その真逆の存在ともいうべき朱家の雛女慧月は、学がなく大柄でそばかすを隠す為に厚化粧を施し、派手な衣を身にまとい美しい男には色目を使いすり寄り、皇太子のお気に入りである玲琳をねたんでいるのは明らか。
他の五家の雛女だけでなく彼女たちに仕える女官たちにさえ“雛宮のどぶねずみ”と蔑まれる何とも強烈なキャラクター。
そんな慧月がほうき星が輝いたその瞬間、たなばたの夜に衆目環視の中、玲琳を高楼から突き落としてしまう。
気絶して檻の中で目覚めた玲琳は、筆頭女官の冬雪から氷のような眼差しで宣告される。
玲琳様を傷つけたその罪、命をもって贖いませ。朱彗月様
入れ替わってみる世界は
久々に面白い物語を読みました!
可憐な見かけに反して、実はたくましく鋼のメンタルを持つ玲琳。
生まれも育ちも理由があり、しっかり悪役として立つ慧月。
他者によって身体を入れ替わられて、不遇の立場に置かれたヒロインが、けろりとしてその困難を乗り越えていく展開はよく見るものですが、その中でもこれは秀逸!
玲琳が平然と困難を乗り越えていける理由。
慧月が乗り越えられない理由。
それぞれの理由がしっかりしているから、物語が違和感なくご都合主義でもなく進んでいく。
特に玲琳の生き様というか、生きていく姿勢には爽快感を覚えます。
でも、主人公万歳だけでなく、入れ替わりによって気付くこともある。
それぞれの立場になって、それぞれが見出すものは—。
誰もに安心して勧められる本だと思います。
※慧月との入れ替わり事件が落ち着くのは2巻なので、2巻まで一気読みすることをお勧めします!
■ブックデータ
タイトル:ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~
著 者 中村 颯希 イラスト ゆき哉 形 態 文庫 レーベル 一迅社ノベルス 出 版 社 一迅社
【管理人評価】
・満足度 ★★★★★(満点!)
・イメージキーワード
「入れ替わり」「愛され主人公」「後宮」「ド根性」
・読後の感想
「楽しい!わくわく!大好き!」
【購入可能サイト】
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【余談】
こちらの小説をもとにコミカライズされています。
違和感なく物語に引き込まれるので、コミックから入るのも良いですが、玲琳を溺愛する皇太子の気持ちや皇帝の血を引きながら奴隷の母を持つ為に後宮の風紀を取り締まる役人の長に封じられた美しくも冷徹な辰宇から見た入れ替わり後の二人への違和感等の描写があるので、コミック後に改めて小説を購入するのもおすすめです!
タイトル | ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~ | |
著 者 | 尾羊 英 | |
原作 | 中村 颯希 | |
形 態 | コミック | |
レーベル | ZERO-SUMコミックス | |
出 版 社 | 一迅社 |