ハイブリッド・スターダスト (花恋)



タイトルハイブリッド・スターダスト
著  者ウノハナ
形  態コミック
レーベル花恋
出 版 社日本文芸社

マイ・フェア・ガイ

読み終わった後にそんな言葉が思い浮かんだのは、「ハイブリッド・スターダスト 」。

40手前にして借金まみれ。
人生に疲弊したおじさんが死のうと決意した。

それではレビュー開始です。

おっさんは死を選ぶ

・・・星になろう。

3度も事業に失敗し、借金にまみれ疲弊した主人公八京大蔵(やきょうたいぞう)は死を決意した。
その自殺の方法は。

おっさん新手の変質者?

―迎えに来るなら天使にしてくれ

主人公の自殺の方法の奇抜さと出会いがインパクト大な出だし数ページを見たら、読むでしょうこれは。
そうなのよ、どんなに失敗しても前向きになれるのは若さであって、年を取ると無邪気に未来を信じられなくなるのよね。
うんうんと人生の悲哀に同感していた中高年管理人も、主人公の自殺方法を見た瞬間小さく吹きましたわ。

こういう小さな落差にがつんとやられるんですよね。

おっさんの人間味と若者の軽さ

怪しい全裸でひげ面のむっさいおっさん(主人公)を拾ったのは財閥の跡継ぎである久喜宮聖人(くぐみやきよと)。
主人公の借金を帳消しにし、側に置く。
ちなみに未成年。

メインのあらすじはもう上に書いた通りなんですけど、何だか好きですこのお話。
何がいいんだろう、登場人物のキャラクター?

不審者以外の何者でもないだろうというおっさんをあっさり拾って、あっさり関係を結んでしまう聖人のふわふわとした軽さとか。

愛人の子として重役に侮られながら聖人が社長に就くまでの社長代理として職務にいそしむ兄・凛の謹厳さとか。

でも一番はやっぱり主人公ですね。
20歳も年の差があり、性格も生まれ育った環境も正反対の聖人と水と油の関係にならないのは、主人公の懐の広さというか。

年下青年に拾われても卑屈にならず、誠実で真っ直ぐな(猪突猛進ではない)性格は、読んでいて安心感があります。
聖人を囲む複雑な話はあれど、主人公大蔵の人間味溢れる誠実さは読んでいてほっとするというか温かい印象。

ジェットコースターのように感情が揺さぶられる話も好きだけど、こういう何だかんだいっても全部受け止めちゃう系の安定感のあるお話、好きです。

あ、でも何気にちょこちょこ吹き出すような笑えるシーンが挟まれているから、そういう所が好きなのかも。

■ブックデータ

タイトル:ハイブリッド・スターダスト
著  者  ウノハナ
形   態 コミック
レーベル 花恋
出 版 社 日本文芸社
【管理人評価】
 ・満足度 ★★★★☆(安心して読める世界観)
 ・イメージキーワード 
  「年の差」「身分差」「笑える」「癒し」「お金持ち」
 ・読後の感想
  「やっぱり最初のつかみは大事だな」

【購入可能サイト】
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ハイブリッド・スターダスト(KAREN COMICS)

【余談】

個人的にツボだったのは、主要人物キャラより久喜宮家に勤めるメイドさん達だったり。
聖人が全裸で屋敷を歩き回っても動じず優雅なその訳は・・・。
あとがきを読んでさもありなん。
そういう設定がしっかり組まれたお話の雰囲気がとても好きだと思うのでした。