タイトル | 心があなたを忘れても_我が一族アネタキス Ⅰ | |
原 題 | The Tycoon's Pregnant Mistress | |
シリーズ名 | 我が一族アネタキスシリーズ | |
著 者 | 日高 七緒 | |
原作者 | マヤ ・バンクス | |
形 態 | コミック | |
レーベル | ハーレクインコミックス | |
出 版 社 | ハーレクイン |
涙なくして読めない物語
妊娠が分かったというのに公園のベンチで主人公が寒さに震えているシーンから始まるのは、「心があなたを忘れても」
夏なのに寒さを感じる程、主人公が恐れているものは。
レビュー開始です。
ギリシアの富豪実業家クリュザンダー・アネタキスとは
彼がニューヨークを訪れるときだけの特別な関係
主人公が何より恐れているのは、彼との今後の関係について向き合わなくてはいけないから。
妊娠を機に、熱い夜を過ごす恋人同士だけではいられなくなるのは分かりますが、それにしては恐れすぎでは?
そんなことを考えながら読みましたが、甘かった。
ヒロインに降りかかる苦難の連続
僕らには”関係”なんてない
わかっているだろう?
君は愛人だ
出た!
これは、あれですか。
大富豪にとって”女性は性欲を満たす為の道具”的なお話だったか!
序盤早々にしてヒーロー・クリュザンダーの衝撃発言に震える管理人。
だが、その発言はまだまだ甘かった。
上記の発言でさえ衝撃なのに、更なる出来事が。
妊娠したことさえ告げられず、ヒーローとの関係の断絶。
3ヵ月後、主人公・マーリーは記憶を失い目覚めた病院でヒーローと再会する。
僕はクリュザンダー・アネタキス
君の婚約者だ
あれ、記憶喪失もの!?
そんな驚き以上に更に明かされる主人公に降りかかった出来事がもう・・・きつ過ぎる。
どれだけ酷い目にあえばいいんだ、主人公。
これ程までに不幸なヒロイン、他に見たことないかも。
彼女の記憶が戻るとき
目をさましたくない・・・
彼女が記憶を失ったのは、彼との関係が壊れたまさにその夜、とある事件に遭遇したから。
3ヶ月ぶりに彼女の元に駆けつけたクリュザンダーは、事件の記憶ごと封印した彼女と再会する訳ですが、妊娠したことさえ記憶にない状態のマーリーは、当然自分の身に起こったことを何一つ説明することが出来ずに、不安の中にいる。
何が悲惨かというと、記憶喪失という不幸の前に、ヒーローとヒロインが“両思い” ではないことだと思います。
両思いどころか信頼関係さえもない2人が婚約者同士として過ごすのだから、不自然にならない筈もなく。
クリュザンダーの弟達にも悪女認識されているマーリー。
不憫すぎる。
記憶を取り戻すということは、酷い数々の体験を改めて体験すると同じこと。
“忘却” は、惨い体験をした人間にとっては救済でもあると思うんです。
その忘却の中から浮かび上がる痛ましい事実の数々。
記憶を取り戻したマーリーが精神科医を前にして泣き崩れるシーンは、何度読み直しても泣けてくる・・・。
最後がハッピーエンドならば、それまでの何もかもがどうでもよくなる。
それだけ悲惨な主人公の境遇。
泣けるお話が好き、泣きたい人におすすめの作品です。
■ブックデータ
タイトル:心があなたを忘れても 我が一族アネタキス Ⅰ
著 者 日高 七緒 原 作 者 マヤ ・バンクス 形 態 コミック レーベル ハーレクインコミックス 出 版 社 ハーレクイン
【管理人評価】
・満足度 ★★★★☆(泣ける)
・イメージキーワード
「記憶喪失」「すれ違い」「妊娠」「不信」「愛人」「泣ける」
・読後の感想
「何度読み直しても泣けてくる・・・終わりよければ全てよしとはこのことだ!」
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【余談】
かなり酷いヒーローなのに、3ヵ月後に再会した彼女が妊娠していることを知って自分の子どもであることを疑わないのは意外でした。
それまで、散々ヒロインに酷い言動をしてきたのにそこは疑わないんだ?
原書には、その点詳しい描写があるのかもしれませんね。