タイトル | 御手洗家、炎上する | |
著 者 | 藤沢もやし | |
形 態 | コミック | |
レーベル | Kissコミックス | |
出 版 社 | 講談社 |
絡み合う2つの家族の愛憎劇
今でも覚えている
燃えさかる炎の前で土下座する母の姿を
自宅が燃える衝撃的なシーンから始まる「御手洗家、炎上する」。
火事を機会に人生が変わった2つの家族の愛憎渦巻くサスペンスドラマ。
この度、全8巻で完結し、後半一気読みしたら面白さに悶絶してしまいました。
それでは、レビュー開始。
主婦モデル宅への潜入
主人公 山内しずかは、主婦モデルとして活躍する御手洗真希子(みらたい まきこ)の家へ家事代行スタッフとして訪問する。
彼女は何としても御手洗家の契約を取りたい理由があった—。
実は、山内しずかというのは偽名。
本当の名は、村田杏子(むらた あんず)。
13年前の名前は御手洗杏子(みたらい あんず)。
13年前の家事をきっかけに崩壊した御手洗家。
杏子の母が離婚した後に父親が再婚したのは、母親と仲が良かったシングルマザーだった。
山内しずかとして御手洗家に潜入するしずかは、強い想いを胸に抱く。
私がすべてを取り返す
まさにサスペンスドラマなスリル
13年前。
代々続く病院を経営する裕福な御手洗家に嫁いだ日本人とドイツ人のハーフである美しく繊細な母親。
そして、シングルマザーで苦しい生活をしていた渡 真希子は親しい友人となる。
あまりに異なる環境の格差ある立場の二人。
段々と母親に似ていくその友人を見つめる子どもの杏子。
火事現場での真希子の不可解な表情。
その後、気が付いた時には、母親に成り代わっていた真希子。
母親の無実を信じ、潜入したしずか(杏子)が見たものは—。
いや、緊張感あふれるシーンの連続は、まさにサスペンスドラマです。
華やかな主婦モデルの生活の真実。
過去へと繋がる母親の持ち物。
上がることが許されない2階。
正体がばれるかばれないのかの綱渡り。
御手洗家の火事で始まった“炎上”。
13年経ってしずか(杏子)が動き出すことによって、次々と“炎上”する。
タイトルに含まれたキーワード“炎上”に相応しいストーリー展開です。
終わりが良ければ評価も上がる
謎解きがメインではありますが、友情、家族。
特に家族愛にクローズアップされた物語だと思っていたんですよ。
現御手洗家の兄弟に旧御手洗家の主人公姉妹が近付いて、情報を得たり。
13年ぶりの父親との再会や、父親と真希子の夫婦の在り方だったり。
が、ラスト2巻で気付きました。
いや、違う。
これは、少女漫画だ。少女漫画だったんだ!
いやぁ、このどろどろぐちゃぐちゃからこの結末になるとは!
良い意味で裏切られて震えました。
作品のラストで、全体の印象が良くも悪くもなりますが、これは良いラスト。
一気に2~3割印象UP!管理人好みの作品でした。
■ブックデータ
タイトル:御手洗家、炎上する
著 者 藤沢もやし 形 態 コミック レーベル Kissコミックス 出 版 社 講談社
【管理人評価】
・満足度 ★★★★★(満足!)
・イメージキーワード
「ミステリー」「サスペンス」「家族愛」「男前ヒロイン」
・読後の感想
「締め方が最高!ラストに完全にやられました!」
【購入可能サイト】
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【余談】
「終わり良ければすべて良し」という風に、それまでそんなに面白くないと思っていた作品が、結末によってめちゃくちゃ面白く感じることってありますよね。
逆に、途中がめちゃくちゃ面白かったのに「えっ、このラストなの!?」と驚く作品も。
管理人の中で後者パターンで思い出すのは「龍の花わずらい (花とゆめコミックス) 」です。
結末が面白くなかったというのではなく、そうなると思ってなかったー!という驚き。
コミックスの巻末を読むと、結構読者から作者へ意外でしたのコメントが多く届いたようです。
うん、今度レビュー記事を書きたいと思います。