タイトル | 町でうわさの天狗の子 1 (フラワーコミックスアルファ) | |
著 者 | 岩本ナオ | |
形 態 | コミック | |
レーベル | フラワーコミックスα | |
出 版 社 | 小学館 |
読み出したら止まらなかった
電子書籍サイトの無料試し読みを読んでいたら止まらなくなって結局最終巻まで読んでしまったというこちらの作品。
連載中に何度かタイトルを目にしたことがあるので、人気があるマンガだったのでしょう。
今になって読んだのですが、評判は伊達じゃないと納得の物語でした。
天狗の父親と人間の母親を持つ主人公。
人間だけど天狗になるべく修行をしている幼馴染やあこがれのモテモテ同級生男子、個性的なクラスメートに囲まれながら、普通の女子高生生活(恋愛)にあこがれる主人公。
ファンタジー要素と普通の女子高校生が違和感なく溶け込む「町でうわさの天狗の子」。
それでは、全12巻のシリーズレビュー開始。
天狗を血を引く女の子の青春物語
年上好きのお母さんは
夏まつりの夜に
450歳年上のお父さんと
恋に落ちた
人間の母親と天狗の父親を持つ15歳の刑部秋姫(おさかべ あきひめ)は、普通の人よりちょっと力が強い女の子。
親権争い(?)に勝った母親の元で生活し、毎週お山の上(「神様の領地」「禁足地」)で生活する父親の元にお団子を届けにいく。
脱輪したトラックをひょいと持ち上げて元に戻る程の怪力な女の子を町の人は、違和感なく受け入れ生活に溶け込んでいる。
主人公が人外設定だとファンタジー要素が強くなるのですが、いや、実際十分過ぎる程話の中にファンタジー要素が入ってくるのですが、基本はどこにでもいるちょっと冴えない女子高生の学校生活という感じ。
同級生が自分の大好きな男の子と仲良く話しているのを見て
あんなふうなことが
自分からとても遠くの出来事みたいに感じられるのだろう
と落ち込んだり
3日に1回でいいからタケル君におはようって言ってもらえるなら
お父さんや瞬ちゃんに迷惑かけても同じ高校に行きたかったんだもん
好きな人と気まずくなって、今の高校の志望理由を思い返したり。
高校入学してからの馴染みのないクラスメンバーとのぎくしゃくした感じとか、リアルな高校生活を思い出しますね。
個性的な登場人物たち
やっぱり、面白い物語は、登場するキャラが個性的で面白い!
高名な天狗である父親・康徳神社の康徳坊(こうとくぼう)様の愛妻・愛娘に対する親ばかっぷりや幼馴染で人間なのに秋姫の父の元で天狗になるべく修行に励む次郎坊(人間名は榎本 瞬(えのもと しゅん)。
次郎坊と一緒に眷属になるべく修行に励む動物達(人間に変身可)。
山から遠く離れた距離に通い始める娘を心配する康徳の命により、同じ高校に通い監視することになった無愛想な次郎坊や天狗の眷属を目指す動物達(人間に変身可能)”天狗陣営”メンバー。
顔が良くモテモテなのに、頭が悪くどこか憎めない神谷武(かみや たける)や、それを巡るクラス女子の面々。
秋姫の親友である町長の娘である松中緑(まつなか みどり)やクラスメイトの金田一麗華(きんだいち れいか)の恋話も素敵。
更に特筆したい点が。
少女マンガって、サブキャラでも美男・美女キャラ多いじゃないですか。
このマンガ凄いです。
えっ!?っという髪型だったり、不細工な女の子(失礼)が出てきます。
少女マンガなのに、全員がキラキラしている訳ではない。
が、ちゃんと彼氏がいたり、女の子としてもてている。
不細工だけどキラキラしている。(物凄く失礼)
なんか、妙なところが妙にリアルに感じる不思議です。
天狗としての危機
人間である母親の元で育ったせいか、天狗になるべく山にあがれという神社メンバーに抗う秋姫。
実は、かなり強い力を持っているにも関わらず天狗になることを拒絶して力を発現させることを恐れる秋姫。
天狗と人間のハーフである秋姫の高校生活と恋愛模様が描かれる前半から、物語の後半は、一気に不穏な流れに。
秋姫の天狗としての力とは。
幼馴染である瞬(次郎坊)が、幼い頃から繰り返し見る悪夢とは。
シリアスな展開に最後まで目が離せません。
特に10巻から最終巻の12巻は、一気に読みたいですね。
■ブックデータ
タイトル:町でうわさの天狗の子(全12巻)
著 者 岩本ナオ 形 態 コミック レーベル フラワーコミックスα 出 版 社 小学館
【管理人評価】
・満足度 ★★★★★(星評価4.5)
・イメージキーワード
「恋愛」「高校生」「人外」「笑える」「シリアス」「胸キュン」
・読後の感想
「前半の高校生活恋愛パートも後半のシリアスパートもキュンとする」
【購入可能サイト】
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【余談】
ラストは大事件が落着しての最終話。
おお、そういう終わり方なのかーという感想でしたが、管理人は大事件の落着の仕方にもやっとしてます。
※※が※※になると※※の未来は※※だと、二人の未来は、※※になる?
それって※※として仕方ないかもしれないけど切ないなぁ。
・・・すいません、ネタバレしないように伏字だと意味が分からないですね。
満足なのですが、余韻と共に色々考える余地があるラストでした。
考察サイトでも探してみるかな。