純白の誓い (扶桑社ロマンス)


タイトル純白の誓い
シリーズブライド・カルテット
原 題VISION in WHITE
著 者ノーラ・ロバーツ
翻 訳村上 真帆
形  態文庫
レーベル扶桑社ロマンス
出 版 社扶桑社

高校生か!

思わずそう突っ込みたくなってしまったのは、ブライド・カルテットシリーズの第一作目「純白の誓い 」。

だって、凄い初々しいんだもの・・・。

ということで、レビュー開始。

マッケンジー・エリオットは八歳にしてすでに十四回結婚していた。 

最初の一文で度肝を抜かれたのは、ブライド・カルテットシリーズの第一作目「純白の誓い」

ん?八歳?
そこでやっと違和感に気付くのですが。

幼馴染の女性4人が作り上げる素晴らしい結婚式

<Vows―永遠の近い>は設立5年目にして州でも一流のウェディング・コンサルティング会社に成長した。

ウェディング・コンサルティング会社<Vows―永遠の近い>を運営するのは、幼馴染の4人の女性。

カメラマンのマッケンジー(マック)・エリオット
会社の代表でありプランナーでもあるパーカー(パークス)・ブラウン
パティシエのローレル・マクベイン
フラワーコーディネーターのエマリン(エマ)・グラント

“夢のようなヴィクトリア朝様式の邸宅”であるブラウン邸は、彼女達にとって職場であり自宅であり人生そのものになっている。

そう!凄いと思うのは、パーカーの両親が亡くなってから住まいだけでなく結婚式場として利用しているブラウン邸。

カメラマンのマックが暮らすのはプールハウス。スタジオとしても使用。
(プールハウスって何?と思って調べてみたら・・・素敵。)
エマが暮らすのは、昔のゲストハウス。その後ろにある温室も利用。
ローレルは本館の三階(東翼)。キッチンを使用。
パーカーは本館の三階(西翼)。

何かあると本館に集まり、朝食を一緒にとったりすることも。

そして結婚式になると本館を4人が力を合わせて駆け回り、新郎新婦の望む素晴らしい式に仕上げていく。

・・・何て優雅!そして楽しそうな世界!

この形は日本では考えられない話ですね。

ちょっと抜けてる愛すべきヒーロー

今回は式場カメラマン・マックの恋愛物語。
しかしマックって女性名なのか・・・途中まで気付かず混乱しました。
マックやパーカー、ローレルが女性名とか翻訳だと全然分からないのは私だけでしょうか。

話を変えるとして、ある日突然やってきて彼女と出会うことになるヒーロー。
ロマンス物によくあるパターンのハンサムタイプではありません。
何しろ、妹の打ち合わせに付き合って訪れた際、場所を間違えてマックの住むプールハウスにやってきたのはいいものの、退散しようとして戸口の側柱に激突。

気が遠くなるほど激突するって!
現実では見たことないよ!

パーカーの兄、デルと同学年で主人公のマックとも一時期同じ高校に通っていたというカーター。

実は、高校時代ヒロインに惚れていたけれど行動に全く移せず、彼女の記憶に全くないという・・・不憫な気配が。

でも会うなり主人公に素敵な男性認定されているから、そうでもないのか・・・。

超肉食女子!パラフルな4人

3人女性が寄れば姦しい。
そんな言葉を思い出すのは、この物語が4人の女性を中心に展開するから。

幼馴染にして同じ敷地内に住み同じ仕事に携わる彼女達は、それぞれの個性を発揮しつつ固い信頼と友情に結ばれてます。

もちろん時にはぶつかりあったりすることも。
それぞれの悩みや家族の問題までも知り尽くし、慰めあったり励ましたり。

でも、印象に残ったのはそこじゃない。

「朝食の時に話があるの」
「セクシーなお話よ。」

パンケーキをおねだりしに本館のローレルの元に行き、朝食室でメンバー4人と集まり食事をするマック。

その中で話題になるのは、突然気になりだしたカーターの話。
そして盛り上がるキスの話。

いやあのあけすけ過ぎじゃないですか?
家族の話からこれから盛り上がるかもしれない恋愛の話まで。
アメリカ女性は恋愛にたくましいよね。

それに比べると、同僚に余計なアドバイスされて迷惑に思いつつも思わずメモを見ちゃうカーターとか・・・純粋過ぎるでしょう。

コーヒーデートの後、休日にカーターからの電話をつい待ってしまう自分にもやもやしたマックが4人を誘った言葉がまた凄い。

お酒を飲んで、ダンスをして、男を誘惑するの。
そうだわ、リムジンを借りてニューヨークへ行って、楽しくやりましょうよ

ニューヨークに行って、お酒を飲んだり知らない男性を失恋させたりしたら、今の苦しさは解決するわけ?

ええ

それならニューヨークに行きましょう

それに乗るパーカーも凄い!
こうして4人で夜のニューヨークに繰り出す訳ですが、多分私がこの作品に入り込めなかった理由は、この彼女達の肉食ぶりと家族以上な親密さなのかもしれません。

でも、彼女の好みと違うタイプだと言われながら、決してハンサムでも女性慣れしている雰囲気でもなく、逆に野暮ったいとさえいえるヒーローとの恋愛模様にきゅんきゅんしたり、うろたえたりしているところは、冒頭でも書いた通り、高校生か!と叫びたくなるような初々しさ。

 

うん、超肉食女子の初々しい恋愛模様がツボにはまれば楽しめる作品だと思います。

はた迷惑なダメ母親とか、もっと色々な内容があったのですが、肉食ぶりにばかり注目してしまいました。

■ブックデータ

タイトル:純白の誓い
著  者  ノーラ・ロバーツ
形   態 文庫
レーベル 扶桑社ロマンス
出 版 社 扶桑社
【管理人評価】
 ・満足度 ★★☆☆☆(星2つ半評価)
 ・イメージキーワード 
  「4部作」「仕事」「親子」「友情」
 ・読後の感想
  「思ったより感情移入できず、ときめかなかった」
【シリーズ一覧】
 1. 純白の誓い 主人公:マック
 2. 香しい薔薇のベッド 主人公:エマ
 3. ひとときの甘い想い 主人公:ローレル
 4. 幸せは永遠に 主人公:パーカー

【購入可能サイト】
・Amazon
純白の誓い (扶桑社ロマンス)(紙本)
・楽天kobo
なし
・Renta!
なし
・eBookJapan
なし
・honto
純白の誓い (扶桑社ロマンス ブライド・カルテット)
・ハーレクインライブラリ
なし

【余談】

海外文学を読んでいると影響されるもの・・・それは飲食関係。
疲労困憊している時、登場人物達が助けを求めるように欲するのが”コーヒー”。

ということで?何だかやたらにコーヒーを飲むようになったのは、海外作品の影響かもしれません。

国内の作品にないですもんねぇ・・・たっぷりのコーヒーに歓喜したり、コーヒーを求めて友達の部屋を訪れるとかそういうシーン。

ところで、今回の作品で初めて目にした食べ物の名前。
それは、”ポップターツ“。

今作の主人公マックが自宅で朝食に食しているのがコーヒーとこのポップターツ

 Pop Tarts・・・ターツというかタルトってこと?
調べてみると長方形のビスケット生地にジャムやクリームを挟んでその上からアイシング(糖衣)を塗ったような強烈に甘そうな代物でした。

 一度食べてみたいな。