タイトル | 花嫁なんかになるもんか | |
著 者 | 水瀬 結月 | |
イラスト | 御景 椿 | |
形 態 | 文庫 | |
レーベル | ビーボーイノベルズ | |
出 版 社 | リブレ出版 |
兄の貞操を守る為、弟は立ち上がる
ダメ、兄ちゃん、早まるな!
兄とその友人の会話を聞いたことから物語が大きく動き始める「花嫁なんかになるもんか」。
それでは、レビュー開始。
偶然聞いた衝撃の会話
「だから俺が
おまえのバージンを買ってやる」
ある雪の日、主人公・花村千里(はなむら ちさと)は、偶然兄・三郷(みさと)とその親友、甲斐将一郎(かい しょういちろう)の会話を聞いて衝撃を受ける。
バージンって、なんだっけ?
千里の兄・三郷(みさと)は、両親の代わりの育ての親のような存在。
ちなみに読み直して気付きました。
父親、生きてた・・・。
あ、いえ、兄以外の家族が出てこなかったので、両親はいないものかと思い込んでいましたが、父親は”年に数回しか帰宅できない” 研究者なだけであって生きてましたよ。
という訳で、存在感のない親に代わって主人公を何よりも優先してくれていた兄の三郷を千里は大好きでとても大切にしている。
そんな兄に冒頭の衝撃発言をしたのは、兄の十年来の親友・甲斐将一郎(かい しょういちろう)。
バージンに一億円を支払うという彼は一体何者だ!・・・と思えば相当な資産家だそうです。
友人(三郷)の家に来るのに、黒塗り外国産車の運転手付きで来てますよ。
ちなみに兄は、ゲイではなく婚約者がおり世間で『逆玉の輿』と呼ばれる結婚を控えてます。
おれ、兄ちゃんには幸せになってほしい。
途方に暮れた千里は、甲斐を追いかけてこう叫んでいた。
「買うならおれにして!」
最初は相手にしなかった甲斐だが、やがてこう言い出す。
「嫁ぐ覚悟があるなら、考えてやらんこともない」
「・・・とつぐ?」
「花嫁になれ」
物語の序盤も序盤、衝撃発言の連続なんですけど・・・。
兄の危機、二人暮らしから透ける兄弟愛
仕事上の危機で駆け回る兄と離れて、千里は甲斐と暮らすことに。
心配する兄バカ発言をする三郷とか、将一郎と暮らしていく中で千里が漏らす兄弟二人の生活がなかなか温かくほっこりします。
兄を餌付けする弟の図とか。
それとは別に、読み直していくと、ちょっと突っ込みいれたいところがちょこちょこ出てきます。
例えば序盤の連続衝撃発言の中身とか。
三郷好き好きなのに、その弟に嫁げという将一郎って何?とか。
千里と三郷が唯一(?)似ている部分が目の下の泣き黒子だそうですが、身代わりにするにしても・・・ねぇ?な疑問が。
が、冷静に読み返してみると・・・という話で、初回読んだ時にそれ程違和感を覚えずにスルーした部分でもあるので、評価は星を減らしていません。
見どころは、兄バカ・弟バカな二人の兄弟愛部分や、一緒に暮らす将一郎の何気に格好いい部分とか、兄と将一郎の関係とかでしょうか。
特に後半、兄の出番が増えて兄バカモードを炸裂させる三郷と飄々とした将一郎のやり取りに、思わずニヤニヤしてしまいながら読み終えました。
「花嫁なんかになるもんか」というタイトルですが、千里と花嫁にしたがる将一郎のバトル・・・というものではありません。
主人公の千里と兄の三郷、三郷とその親友の将一郎、三郷と婚約者の綾子、そして一緒に暮らしていく中での千里と甲斐。
それぞれの関係や状況が明らかになって、次々と見えてくるものがある。
そんな物語でした。
収録話
巻末に「そんなエプロンするもんか」収録。
兄・三郷の婿いびりモード・・・素敵です!
弟好き好きモードを発動させてムキになってる三郷と甲斐の攻防がめちゃくちゃ楽しい。
何だかんだいって本編も巻末も幸せな結末ですね。
■ブックデータ
タイトル:花嫁なんかになるもんか
著 者 水瀬 結月 イラスト 御景 椿 形 態 文庫 レーベル ビーボーイノベルズ 出 版 社 リブレ出版
【管理人評価】
・満足度 ★★★☆☆(星3.5評価)
・イメージキーワード
「兄弟愛」「年の差」「陰謀」「矛盾」「裸エプロン」
・読後の感想
「BLじゃないけど兄の恋愛話が読みたい・・・。」
【購入可能サイト】
・Amazon
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・楽天kobo
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・Renta!
なし
・eBookJapan
なし
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【余談】
この作品、確かKindle端末上で購入した記憶があります。
ええ、文庫サイズの画面だと表紙画像が小さいし、ファイルを開いた読み始めの部分が”中表紙” (テキストタイトル部分)なので、Kindleだと表紙を意識して眺める機会が少ないのです。
このレビューを書こうとPC上で書籍サイトを見て一瞬固まりました。
表紙イラスト・・・す、凄い。
管理人、少女小説系はまだ書店で紙本購入出来るんですが、BL本は購入経験ありません。
まあ、BLに手を出すようになったのが、Kindle購入後というのもあるのですが・・・うん、Kindle購入して良かった。
BL本は、レジに持っていく勇気がありません。
(年齢もあるしね)