タイトル | 花嫁はマリッジブルー | |
著 者 | 凪良ゆう | |
イラスト | 唯月一 | |
形 態 | 文庫 | |
レーベル | 花丸文庫 | |
出 版 社 | 白泉社 |
たくましい姉に振り回される常識人(弟)
主人公・麻生拓海(あそうたくみ)は大学生。
複雑な気持ちではしゃぐ両親の話を聞きながら、食卓を囲む場面から話が始まるのは「花嫁はマリッジブルー」
そもそもの発端は、拓海と双子のように似ている5歳年上の姉・美花(みか)の結婚話から始まるようです。
8年間付き合った売れないバンドマンの彼氏を捨て、潜り込んだ合コンで名門ホテルグループの跡継ぎ息子を釣ってきた
という姉の美花。
既にお付き合いも3ヶ月。
ごくごく一般的な家庭の娘が超高嶺の花(?)な彼氏をゲットしたということで、両親は浮かれ気味。
それをやや冷めた目で現実を見ている弟(主人公)という図。
どうせダメになるだろうと思っていたら、帰宅早々姉が力強く断言した。
「お母さん。私、来年結婚するから」
実は美形姉弟だったらしい
レビューの為に読み直してみたら美形姉弟設定でした。
いや、顔はいいんだろうなとは思っていましたが(特に姉)、全然美形印象なかったです。
何故なら主人公、ものすごく一般的というか庶民的な常識人ですから。
そして姉。
素晴らしいです。(何が?
姉のたくましさを婚約者・朝倉(あさくら)の言葉で語っていただきましょう。
「セキュリティの厳しい、招待状がなければ入れないあのパーティーにどうやって潜り込んだのかは謎だが、なみいる名家のご令嬢たちを蹴散らし、私の前に立った美花さんの顔には、清々しいほどハッキリ『玉の輿』と書いてあった」
素敵・・・(うっとり
鼻息荒く玉の輿に邁進するお姉様。
ぎろりと弟をねめつけ、軟弱な売れないバンドマン・エディ(日本人)をばんばん平手打ちするような突き抜けた性格。
明らかにそんな性格を見抜いているだろう朝倉が、平然と結婚話を進めるところからして何かがある訳で。
何だかんだいって姉思いな主人公、
初対面の時から朝倉に対して良いイメージが持てず・・・。
「俺はあんたと姉ちゃんの結婚は絶対に認めない!」
主人公が叫ぶことになった理由とは?
そもそも、水と油な関係。
育ちも違えば、結婚に対する考え方も全く違う、しかも姉の婚約者である朝倉と何がどうなって恋愛関係になるのでしょう。
序盤は恋愛の「れ」の字もないだけに、見所はやはりそこでしょうね。
主人公達が霞む脇役の個性
この話の魅力は、個性的な登場人物でしょう。
たくましい姉、へたれで憎めない姉の彼氏、朝倉の両親、ごくごく一般人である両親のやり取りさえも読んでいて楽しい。
主人公拓海と朝倉が霞む程、周囲のキャラクターが立っていて、読んでいて楽しいです。
こういう個性的なキャラクターがうまく絡み合って進む話って、絶対無理がないし面白い!
難を言うならラストがあっさり・・・ということでしょうか。
出来事自体を見るとあっさりじゃないんですが、そうなるまでの流れ・伏線がうまく解消されているんですが、(あ、終わった)という少々唐突な印象なのは否めないです。
何がどうなってどんな結末になったのかは読んでのお楽しみです。
■ブックデータ
タイトル:花嫁はマリッジブルー
著 者 凪良ゆう イラスト 唯月一 形 態 文庫 レーベル 花丸文庫 出 版 社 白泉社
【管理人評価】
・満足度 ★★★★☆(楽しい)
・イメージキーワード
「結婚」「ドタバタ劇」「兄弟」「楽しい」
・読後の感想
「こういう頭を使わずに楽しめるドタバタ劇大好き!」
【購入可能サイト】
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【余談】
レビューをする為に読んで、気付きました。
作者、凪良ゆうさんだ!
凪良ゆうさんの作品は、無理のない話運びというか人物描写が素晴らしく、その作品は安心して読めるという認識なのですが、こういうドタバタ喜劇的な作品イメージはなかったです。