モンスターフレンド (クロスノベルス)


タイトルモンスターフレンド
著  者丸木文華
イラスト乃一ミクロ
形  態文庫
レーベルクロスノベルス
出 版 社笠倉出版社

真夏のホラーのような病み系BL

これ、夏に読んだ方が世界に入り込めるんじゃないだろうか。
そんなことを思ったのは、「モンスターフレンド」。

それでは、レビュー開始。

平凡平穏主人公と完璧幼なじみ

一人っ子だから、おっとしてるから、ぼけっとしてるから。

そんな言葉を両親から愛情たっぷりに受けて育った主人公は、平凡な男子高生・杉浦湊(すぎうら みなと)。
本人曰く『ぼけっとした一人っ子で若干人見知り』

そんな湊に忍びよる影。
お隣の高梨家長男・高梨悠馬(たかなし ゆうま)は主人公と同い年で文武両道、眉目秀麗『何もかもが超優秀なスーパー完璧マン』。

予兆は既にそこにある

あいつは、ちょっとヘンなのだ。
でも、自分のそのヘンなところがわかっていて、皆の前では綺麗に隠している。

主人公の悠馬に対する評価と周囲の評価の誤差。
何でしょう序盤から不吉な予感がてんこ盛り。

不幸がやってくる前の予兆を平和ボケしている為にスルーしてしまう。
そんな感じなのでしょうか。

何気に冷静な主人公

「湊は俺がいなきゃ何もできない」と周囲に思わせているんだ。

改めて読み直すとですね、主人公・湊は色々見抜いているんです、不幸の予兆を。

だって、結末を知っている人間からすると伏線が山ほど張られていて、その伏線はほぼ全て主人公の口から語られているんですから。

高校生にもなって湊と常に手を繋ぐ悠馬。
幼くして亡くなった姉に対する言動。
水が苦手な主人公に対してやたら泳ぐのが好き。

要素要素が、微妙に気持ち悪い。
何だろう、病み系ってラブラブ・いちゃいちゃというよりは、気持ち悪さやぞっとする感じを楽しむ”夏のホラー”的な感じがありますね。

周囲の迎合と主人公の諦め

今回、あまり物語の中に入り込めなかった管理人。
要因は、2つ。

周囲があまりに病んでる悠馬に騙されすぎ。
ちょろい・・・ちょろいよ親・教師・その他友人達。
どうせなっら周囲に対してもっと悪どく働きかける怖さを見たかった。

残りの一つが、主人公諦め早すぎ。
もっと、あがいてもいいと思うんですよ。
あがいて周囲に理解されなくて、あっさり諦めちゃうその淡泊さが悠馬視点ちょろ過ぎる・・・。

もっと必死になろうよ!
逃げようよ!
そう叫びたくなる諦めの良さ。

が。
そもそもそんな強さがないのが、この物語の中の主人公・湊のキャラなのでしょう。
物語序盤のシーンで両親と主人公がテレビを見て自然の厳しさについて語り合うシーン。

もし生存競争厳しい自然界に湊が生まれたのなら、
ぼーっとしてて絶対生き残れないな

まさに弱者が強者に補食される。
そんなイメージの物語でした。

収録話

本編「モンスターフレンド」に加え悠馬視点の小学生時代の夏休みを描いた「たのしい夏休み」。

杉浦は、夏休みの間に、あっち側に行ってしまったんだ。
あいつに連れて行かれたんだ。

作中でごくごく短い間、湊の彼女であった美花(みか)視点の病んでる二人を遠巻きに眺める「その後のこと」。

取り返しのつかないことって、あるんだろうか。

病んでる悠馬の壊れて閉じた世界を描いた「特別版」

作者が後書きで「やな話だなぁ・・・」とこぼしたというこの作品。

BLというよりは、真夏によく交わされるホラー話を読んだような、ぞっとするような読了感でした。

 ■ブックデータ

タイトル:モンスターフレンド
著  者  丸木文華
イラスト 乃一ミクロ
形   態 文庫
レーベル クロスノベルス
出 版 社 笠倉出版社
【管理人評価】
 ・満足度 ★★☆☆☆(これは苦手な病み)
 ・イメージキーワード 
  「病み系」「調教」「策略」「ホラー」「水」「幼馴染」
 ・読後の感想
  「主人公が諦め早すぎだと思う」

【購入可能サイト】
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【余談】

突然日常から非日常に切り替わるようなぞっとした感覚。
現実の世界でそんな病んでる人との遭遇を何度か経験しているせいか、病み系ストーリーに対する管理人の評価は、辛口になりがちなようです。

うん、苦手。
R系じゃなくてもホラー系は、映像・小説避けて通る人間なもので。
ただ、執着愛系は結構好きなんですよね。

この作品も病み系であると同時に執着系でもあるんですが。
自分の中の”好き”と”嫌い”の境界線が未だに分かっておりません。