タイトル | 夜の舞踏会 公爵夫妻の幸せな契約結婚 | |
著 者 | 赤 | |
イラスト | 篁ふみ | |
形 態 | 文庫 | |
レーベル | フェアリーキス | |
出 版 社 | ジュリアンパブリッシング |
「はぁ?どうしてこの私が貴方みたいな男なんかと踊らなければいけないの?」
舞踏会で踊りに誘われ手の甲にキスをされた瞬間、手を振り払い辛らつな言葉を吐き出した主人公。
あまりにきつい主人公の言葉に思わず引いてしまう「夜の舞踏会 公爵夫妻の幸せな契約結婚」。
あれ?”幸せな契約結婚?”
思わずタイトルと冒頭シーンの落差に愕然としてしまうのですが。
それでは、レビュー開始。
毒婦と名高いヒロインの婚約
二ヶ月前、見知らぬ貴族の男性と婚約が決まったフィルデリアは、憂鬱な気持ちのまま舞踏会へと向かう。
毒婦と名高い主人公は、舞踏会に来たというのに大きな窓に向かい星空を眺める始末。
誰もお喋りをしに来ることもなく、ダンスに誘ってくれる男性もいない。
“気持ちの良いものではない” と思いつつも
甘んじて受け入れねばならない。自分が望んだものだから。
何故か居心地の悪いその状況こそを望む主人公。
そして、そんな彼女に声を掛けてきた男性に冒頭の酷い言葉を投げかける。
「はぁ?どうしてこの私が貴方みたいな男なんかと踊らなければいけないの?」
「・・・私はアルベルト・オルレアンだ。ご両親から話がいっているはずだが?」
その名前は、二ヶ月前母親から自分の婚約者だと教えられた名だった 。
びっくりする位、性格が悪いヒロインとその婚約者との最悪な出会いから始まる物語。
いやいや、こんな性格のヒロインじゃ嫌だと呟きたくなるものですが。
何だか色々事情があるようです。
色々うかつだと思う主人公
フィルデリアが意図的に悪女を装うその理由。
そして真実の姿。
ちょっとそこがちぐはぐに感じなくもないです。
他人を平気で辱め、親切を無礼で返す。自分以外の人間を家畜と同等に見ている。
そんな評価を受ける程の行動力があれば、彼女の抱える問題に対してもっと上手いやり方を見つけ出せそうなものなのですが。
毒婦の名を欲しいままにする彼女の行動と真実の姿の落差があまりに激しくて、そこが感情移入しづらかったところ。
彼女の行動理由は、両親も知らず、妹がそこはかとなく察しているだけ。
うーん・・・両親もあまりに豹変してしまった娘のこと、もっと問い詰めないかなぁ。
毒婦として評価されることこそが望みの主人公。
でも、そんな簡単になれるものじゃないんじゃない?と思ってしまう訳で。
そして、毒婦として評価されて初めて
それが彼女の家と家族までもおとしめる裏切りだと気付いた
というのも、色々うかつだと思うのです。
毒婦と結婚しようとするヒーローも凄いよね
冒頭の舞踏会で手酷く拒絶されてから一度も会うことなく結婚式を迎えることになるフィルデリアの結婚相手アルベルト・オルレアン。
彼もぶっちゃけ相当な変わり者ではないかと思うのです。
裕福な貴族である彼が、何故にそこまで悪名高い女性と結婚しようとするのか。
一応理由は語られているのですが、それにしても自分の結婚、そこまで投げやりに決めてしまっていいのかと言いたい。
せめて一度でも面識があれば。
そして外見が好みだとかそういう理由でもあれば納得なのですが、あまりに酷い噂を耳にしておきながら”全部デタラメかもしれない” と思ったりするところ・・・やっぱりヒーローもうかつな性格?
殺伐とした結婚からの変化
見どころは、やはり毒婦と呼ばれるヒロインの結婚生活でしょう。
あまりに殺伐とした始まり方に、波乱万丈かと思いきや、思った程波がなかったような。
それは、結婚早々フィルデリアが毒婦の仮面を脱ぎ捨ててしまったからでしょう。
早いよ!
胸が詰まるような波乱万丈な展開はないけれど、最終的にべた甘な話を読みたい!という方にオススメします。
■ブックデータ
タイトル:夜の舞踏会 公爵夫妻の幸せな契約結婚
著 者 赤 イラスト 篁ふみ 形 態 文庫 レーベル フェアリーキス 出 版 社 ジュリアンパブリッシング
【管理人評価】
・満足度 ★★★☆☆(星評価3.0)
・イメージキーワード
「ギャップ」「結婚」「悪女」「傲慢」「べた甘」「濃厚」
・読後の感想
「悪女期間があまりに短くて悪女な印象が残らない主人公」
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