黒の皇帝と無垢な花嫁 (ティアラ文庫)

タイトル黒の皇帝と無垢な花嫁
著  者芹名 りせ
イラスト駒田 ハチ
形  態文庫
レーベルティアラ文庫
出 版 社プランタン出版

箱入り王女が恐れるものは

ロアンド王国の王女エルフリーデには苦手なものが三つある。
一つは人と人とが争うこと
もう一つは大きな動物
そして残る一つは  

そんな出だしで始まる「黒の皇帝と無垢な花嫁」

それでは、レビュー開始。

ヒーローは誰だ

主人公の王女エルフリーデは、天使のような可憐な容姿を持つお姫様。

そんな彼女が苦手とするものは、「人と人とが争うこと」「大きな動物」そして残りの一つが「若い男性」。

エルフリーデの愛らしさに決死の形相で迫る男たちに怖じ気付き、兄の背に隠れている内に、とても慎み深く古風だという噂が広がったとか。

ああ、あるよね、男性目線の可憐美女フィルター。
鼻息荒く可憐少女に群がって、少女を怯えさせるパターンですね。

そんな彼女が、怯えず対峙することが出来る数少ない男性であるウィストリア王国王子ジョスラン・ハーバルトン・ウィストリア

突然エルフリーデの元にやってきて、他国の王女であるエルフリーデに対して、傍若無人な口ぶりの軍事大国リーンカーデルの使者・騎士カルヴァン

物語のヒーローがジョスランかと思いきや、実はカルヴァンかと思いきや。

「花婿は俺じゃない。我が主  黒の皇帝だ」

二人とも違うんかい!

次々と現れる美形男性陣に無駄に惑わされました。
登場人物、全員ハンサムじゃなくていいんだよ?
思わずぼやく管理人。

前途多難なお嫁入り

大国リーンカーデルへの政略結婚が決まったエルフリーデ。
黒の皇帝に急かされて、カルヴァンがやってきた数日後にはカルヴァンに連れられて王国を出発。
何でしょうこのドナドナ感。

平和ボケしたその頭を、徐々に切り替えていただくにはちょうどいいですね

輿入れの道中、カルヴァンと共に同席したヴィスタにあまりにトゲトゲした言葉を掛けられるわ、嫁ぎ先で集められていた侍女に総スカンを食らうなどなど、望まれて輿入れしたにしては、随分殺伐とした雰囲気。

何でそんなに周囲がトゲトゲしいんでしょう。
一応皇帝から望まれて嫁ぐのに。

だけど、あれ?何気に主人公、強くない?

トゲトゲしい雰囲気に落ち込んだりしつつも、腹を立てる侍女エルザ(王国から唯一の同伴者)を気遣ったり、何気に打たれ強いというか。

これがお嬢様・お姫様属性というものでしょうか。
タイトルに無垢とありますが、主人公、本当すれてない育ちの良さを感じます。

顔を見ないにも程がある

・ 結婚式の前の顔合わせを逃してしまう。
・ 結婚式ではヴェールと身長差に邪魔される。
・ 結婚式当日の晩餐会では、エルフリーデから話しかける勇気も隣に顔を向ける勇気も持てない。
・ お礼を言おうとして咄嗟に顔を背けられる。

ちょっと待ってください。
いつまで経っても黒の皇帝の顔が出てこないんですけど!

気配りする彼の行動は出てきても顔の描写一切なし。
見ようよ!
夫となる相手の顔、まずは見るでしょう!

そして初夜に部屋を訪れようとしない黒の皇帝。
主人公だけでなくそっちもか!

不自然な程顔を合わせない二人。
ヒーローのビジュアルって大事だと思うの・・・。

顔を合わせたらべったべた

何故顔を見ない!
そう叫びたくなる程の二人ですが、一度顔を合わせたらもう恋愛モードまっしぐら。
“若い男性が苦手”属性どこいった!と叫びたくなるような黒の皇帝とのべたべた加減。

顔を合わせたらもうフォーリン・ラブ。
これは政略結婚だった筈だけど・・・?

さすがTL小説。
そう呟きたくなる程、エロシーン満載です。

ハッピーエンドで終わらぬその理由は

序盤からべた甘シーン満載で、あれ?これもう既にハッピーエンドで終了じゃないの?

そんな疑問が浮かぶ程、ラブラブなシーンがこれでもかと描かれるのに物語が終わらない理由。

それは黒の皇帝にとある疑惑が持ち上がったり、エルフリーデが事件に巻き込まれたり、二人がラブラブになっても波乱が起こるからですが、でもその間も延々いちゃついてますからね。色々あったけれど、主人公二人が最初から最後までべた甘なので、波乱が波乱に思えぬ程。

べた甘濃厚シーンをたっぷり読みたい!という人にお勧めかと思います。
個人的には、初めての遭遇シーンが一番エロい気がしてお気に入り。

■ブックデータ

タイトル:黒の皇帝と無垢な花嫁
著  者  芹名 りせ
イラスト 駒田 ハチ
形   態 文庫
レーベル ティアラ文庫
出 版 社 プランタン出版
【管理人評価】
 ・満足度 ★★★☆☆(王道ストーリー)
 ・イメージキーワード 
  「政略結婚」「すれ違い」「べた甘」「濃厚」
 ・読後の感想
  「皇帝が主人公を見初めた時のお話が読みたかったな」

【購入可能サイト】
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