タイトル | 隠秘の恋~王女は騎士の甘い嘘に乱れる~ | |
著 者 | 寒竹泉美 | |
イラスト | 篁 ふみ | |
原 作 | ミシェル・リード | |
形 態 | 文庫 | |
レーベル | ヴァニラ文庫 | |
出 版 社 | ハーパーコリンズ・ジャパン |
イケメン無罪とは言い難い・・・。
冒頭のヒーローの行動があまりに酷過ぎて、ドン引きしてしまいました。
その悪印象のまま、細かなことが気になって仕方なくなってしまった「隠秘の恋~王女は騎士の甘い嘘に乱れる~」。
それでは、レビュー開始。
颯爽と現れたヒーローだけど・・・。
主人公エミーア・ホワイテは、亡くなった母の最期の依頼を叶えに一人王都に向かう。
母親の依頼は、エミーアが国王陛下に直接手紙を手渡すこと。
ところが、王都に向かう辻馬車に乗ったところで、御者に乱暴されそうになり逃亡。
森の中で逃げ惑うエミーアは、馬に乗った騎士アドニスの前に飛び出し、救われる。
ここまで書くと劇的な出会いのような印象なのですが・・・。
美しいエミーアに一目ぼれしたアドニスは、馬の上で震えるエミーアに「馬から落ちないためのおまじないだ」と言いつつ、がっつりディープキス。
エミーアの目的を聞けば、王宮にある自分の部屋に連れ込んで、閉じ込める。
もう遅いから陛下に謁見できない。だから、とりあえず俺の部屋に運んだ。
陛下はお忙しい。いつお会いできるか分からない。
・・・え?
この辺で、強烈な違和感を覚えだす管理人。
自分がタイミングをみて王に話をつけると言うアドニスは、“王宮には王宮のルールがある”“おまじない”などと言いつつエミーアにあれこれ。
ここで、管理人、心の中で呟きました。
あ、ダメだ。気持ち悪い。
無垢なヒロイン、ゲスなヒーロー
ヒーローに言いくるめられるままに好き勝手されちゃう純真無垢ヒロイン。
もの知らず過ぎだろ!と突っ込みたくなる人もいるでしょうが、このヒロインの無知さ加減は、まあ許せます。
許せないのは、ヒーローの言動。
好みの女の子だからって、出会ったばかりの女の子に「おまじない」と言いつつ馬上でがっつり貪るようなキス。
部屋に連れ込んで、何も知らない女の子を裸にしてムニャムニャムニャ。
いくら一線を越えてませんと言われても、美青年だと言われても、生理的に受け付けない。
うん、これ、何のAV?
好みの女の子を部屋に連れ込んで、無知に付け込んで欲望のままに変態行為に及ぶって・・・犯罪でしょう。
イケメンだから許される。イケメン無罪とは言いますが、いくらイケメンでもこれはない。
大人なら欲望を抑えろ。
いや、せめて罪悪感に苛まれて悩むとか、もっとしようよ。
タイトルにもありますがこういう「嘘」って、許されるレベルではないと思うんですよ・・・。
TLっていうより、男性向けAVと言われた方がまだ納得。
久々に気持ち悪い。受け付けないわー・・・というヒーローでした。
気になりだすと違和感噴出
ヒーローの変質者レベルの行為が、強烈に気持ち悪いという生理的嫌悪感が先にくきてしまい、そのせいか、細々としたところも悪い意味で気になりだし・・・。
森の中で一人飛び出してきた女性に対して、何の不審も抱かずに馬に乗せちゃうシーンとか。
エミーアの本当の父の描写が「美青年」だったり。
結婚式をしない結婚とか。
アドニスの記憶を取り戻すシーンとか。
ちょっとドン引きしてしまい、物語に入り込むことが出来ませんでした。
■ブックデータ
タイトル:隠秘の恋~王女は騎士の甘い嘘に乱れる~
著 者 寒竹泉美 イラスト 篁 ふみ 原 作 ミシェル・リード 形 態 文庫 レーベル ヴァニラ文庫 出 版 社 ハーパーコリンズ・ジャパン
【管理人評価】
・満足度 ★☆☆☆☆(無理)
・イメージキーワード
「下衆ヒーロー」「無垢なヒロイン」「実は高貴な生まれ」
「生理的嫌悪感」
・読後の感想
「冒頭のヒーローの行為が気持ち悪くてドン引きです」
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【余談】
この作品、巻末にミシェル・リード原作のMia’s Scandalというタイトルが載っているんですよ。
で、原作かと思ってMia’s Scandalの日本語コミカライズ版を探してみたのですが・・・あまりに違うので、ちょっと混乱しています。
これは、一体どういうことでしょう。