タイトル | 失恋未遂 | |
著 者 | 高宮ニカ | |
原 作 者 | イアム | |
形 態 | コミック | |
レーベル | ジュールコミックス | |
出 版 社 | 双葉社 |
ツボにはまる意外性
何年どころか数十年レベルでマンガを読んでいると、読んでいる内に『この話、どこかで読んだような・・・』と思うこと、多々あります。
というか、むしろ年々そう思うことが増えているような。
読み始めてすぐに大体の先が読めてしまうのも、読みながらワクワクドキドキテンションが上がることが減ったのも、数十年も読み続けてきた弊害で恐らく管理人と同じく中高年マンガ読みなら分かってもらえるかと。
いつものように、琴線に引っ掛かる話はないかと片っ端から電子書籍の試し読みページを流し読みし絵柄も好みじゃないし(失礼)、また同じパターンの話かなと思っていたのが、思わぬドはまりをしたのが「失恋未遂」。
現在(2017年8月)3巻まで刊行された作品(以下、続刊)のシリーズレビューです。
ねえ 好きだよ
きらきらと輝く笑顔で好意を告げる女の子が印象的な始まりの「失恋未遂」。
深く傷ついた失恋から10年後。
主人公三浦菜乃花(みうら なのか)は、中途採用で入った会社でデリカシーのない発言をする課長・羽島達樹(はしま たつき)の補佐につくことになる。
サル呼ばわりはモテないと思う
最初の挨拶時に顔もあげず、ショートカットの菜乃花を見て「サル」呼ばわりする羽島達樹。
部下曰く「課長ばっかモテて」「女グセ悪い」とのことですが、女グセはともかく、その言動ではモテないと思う・・・。
そんなデリカシーのない言動にも動じない菜乃花。
何を言われたって 気にしない
私はもう 15歳の子供じゃないから
冒頭のキラッキラな笑顔は、15歳の時のことだったんですね。
傷ついて冷めた表情で自分を隠す主人公。
過去のトラウマから心を閉ざすようになった女性が、ある男性と出会って心を開いていくというパターンかな?
あるある、よくあるねーと思いながら読み進めていったならば、予想外な展開が待っていた。
・・・え?
可愛過ぎるよ高校時代の主人公!
現在と同時に繰り広げられる過去の主人公の恋愛の回想。
こらがもう滅茶苦茶可愛い!
電車の中の一目ぼれした「王子」への告白。
はじめての彼氏。
好意をためらうことなく口にする無邪気さと無防備な程感情が筒抜けの表情。
もう何この可愛い女の子!
「王子」じゃなくてもほだされるよ!
現在の同僚の小宮さん(♀)の面白おかしなキャラとか、羽島課長の出来る仕事ぶりとかクールなイケメンの南城さんとの会話とか、色々なエピソードがあるのですが、高校時代の強烈な印象に勝てず。
もうキュンキュン(死語)するよね!
10年後の殺伐
あの頃は 「好き」がすべての原動力だった
無敵だった
キラキラ輝くような高校生の主人公のエピソードが描かれる程、現在の殺伐さが際立ちますね。
何が凄いって、この作品1巻・2巻・3巻と、それぞれ「えっ!」と思うようなエピソードが入ってるってところですよ。
高校時代の恋愛顛末は3巻で恐らく語りつくされた感がありますが、その3巻で描かれた恋愛の終わり方は予想外で衝撃的でした。
「10秒だけ・・・ちゃんと答えて あり?なし?」
「なしです」
しつこく構い倒す羽島課長と冷たく突き放し続ける主人公の関係が、本当胸が痛いです。
3巻の終わりになって、やっと(もしかして、この先こうなるのかな?)というような形が見えてきたような気がしますが、1巻・2巻・3巻と意外性の連続でガッチリ心を掴まれました。
よく見たら原作があるんですね。
原作付きって、ストーリーがしっかりしてるから好きです。
次の4巻で完結するかな?
早く読みたくてたまりません。
■ブックデータ
タイトル:失恋未遂
著 者 高宮ニカ 原 作 者 イアム 形 態 コミック レーベル ジュールコミックス 出 版 社 双葉社
【管理人評価】
・満足度 ★★★★★(大好き!)
・イメージキーワード
「過去」「胸キュン」「切ない」「すれ違い」「原作有」
・読後の感想
「予想がつかないストーリー展開。過去・現在のキャラが魅力的。」
【購入可能サイト】
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