タイトル | 香しい薔薇のベッド | |
シリーズ | ブライド・カルテット | |
原 題 | Bed of Roses | |
著 者 | ノーラ・ロバーツ | |
翻 訳 | 野川 聡子 | |
形 態 | 文庫 | |
レーベル | 扶桑社ロマンス | |
出 版 社 | 扶桑社 |
ロマンスを夢見る美女の恋
ブライド・カルテットシリーズ第二作目は、4人の女性によって運営されているウェディング・コンサルティング会社<Vows―永遠の近い>でフラワーコーディネーターを勤めるエマリン(エマ)・グラント。
前作「純白の誓い」では、4人の女性のパワフルさと肉食女子っぷりに若干引いたのですが、今回は主人公エマの心の揺れに引き込まれました。
それではレビュー開始。
ロマンスは女の子を特別にしてくれるもの
幼い頃からロマンスを大切に思う主人公エマは、<Vowsー永遠の誓い>を運営する4人の中で一番女らしく可憐な印象を与える女の子。
20代女性を”女の子””可憐”と表現したくなるのは、エマがロマンスを大事にし月の光を浴びながら秘密の庭でダンスをするようなロマンチックなことを夢見る女性だから。
前作でちらほら描写されたように、いつも誰かしらと付き合っているようなもてもてぶり。
でも尻軽だとかそういうイメージじゃないんですよね。
お付き合いしてときめかないと分かれば、その相手にぴったりな女性をさりげなく紹介して意識をそらすような、気遣いのある女性。
前作では、アメリカ女性って本当肉食系だよねぇ・・・と、4人のパワフルさに圧倒されましたが、今回は主人公がそうしたさりげない気配りで円滑に物事が流れるように手配する性格なので、意外なことにすんなり物語の中に入れました。
主人公は誰もが魅せられる可憐美女
可憐と美女というと正反対のような気もしますが、ロマンスを大切にし、ロマンチックなことに夢を馳せるエマは優美で可憐な妖精のようなイメージ。
手を傷だらけにしながらブーケなどを仕上げていくキャリアウーマンなんですが、穏やかで優しい印象です。
そんなエマがある日恋に落ちたのは、パーカーの兄・デルの親友であるジャック・クック。
建築家であり、前作でマックのクローゼットを改装していたのが確か彼。
幼い頃から馴染みの間柄で、お互い兄と妹のような感覚に近くなっていた彼らが突然相手を意識し惹かれあう。
関係が近すぎるが為に、お互いの関係が崩れた時のことまで考えてためらったり。
親しいからこそのとまどいやためらいを含みながらの恋愛模様です。
幸福な家族の形、4人の友情
前作は、この2人は高校生か!と思うような初々しい二人の恋愛に、あまり大きな波もなく読み終えてしまいましたが、今回色々な見せ場・見所がありまして。
シリーズものの良いところは、作品の数が増える度にその物語の世界が深まるところではないでしょうか。
前作のカップル・マックとカーターの幸せそうな姿や、もしかして恋愛相手?と思わせるローレルとパーカーの前に現れる男性達。
エマがロマンスを大切に思うようになった両親の恋愛。
(別の作品として読みたい位素敵!)
ノーラ・ロバーツの作品には、いつも必ず家族の愛が根底にある気がします。
他の3人は、どこかしら複雑な家庭の事情がありますが、エマの家族は幸せそのもの。
特に母親がエマに聞かせる夫とのなれそめは、情熱的で素敵です。
パーカーとエマが学生時代素晴らしい○○だったというびっくりな事実も。
ジャックと○○が付き合っていたというエマの記憶に関するガールズトークも楽しくて、変化に富んだストーリーに一気に読み終えました
相容れない思いと4人の友情
前作を読んで、4人のあまりの肉食女子ぶりに、あまり好みじゃないかも・・・と思った<ブライド・カルテット>シリーズ。
今回予想を裏切られ引き込まれたのは、主人公エマの性格だけでなく周囲のやりとりがあまりに素敵だったから。
エマが心底傷つき絶望した時の4人の結束ときたら!
断固としてエマを守ろうとする4人の行動、特にパーカーの凛とした潔さに胸打たれました。
ジャックとの関係が壊れた瞬間から4人が結束して守ろうとする姿まで、外出先で読んでいたにも関わらず涙をこぼしそうに。
ラストの場面も美しく余韻が残るような、そんな素敵な作品でした。
■ブックデータ
タイトル:香しい薔薇のベッド
著 者 ノーラ・ロバーツ 形 態 文庫 レーベル 扶桑社ロマンス 出 版 社 扶桑社
【管理人評価】
・満足度 ★★★★☆(素敵!)
・イメージキーワード
「家族愛」「友情」「働く女性」「ロマンス」「ロマンティック」
・読後の感想
「良かった・・・!(涙 」
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