タイトル | 九尾狐家妃譚~仔猫の褥~ |
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シリーズ | 九尾狐家 | |
著 者 | 鈴木 あみ | |
イラスト | コウキ。 | |
形 態 | 文庫 | |
レーベル | シャレード文庫 | |
出 版 社 | 二見書房 |
猫の化身が仕える狐の世継ぎ
棄て仔(すてご)であった八緒(はちお)は、斑猫の化身の一族であり古い家柄の公卿・鞍掛(くらかけ)家で養い仔になり、末っ仔のような半分使用人のような中途半端な立ち位置で暮らしていた。
そんな中、九尾狐王家(くびこおうけ)の世継ぎである焔来(ほむら)の遊び相手に選ばれる。
種族や霊位によって寿命も成長速度も違い世界。
健気な尽くし系主人公と身分高き若君との恋愛譚。
それでは、レビュー開始。
仕えるのは身分高き九尾の狐
主人公が仕えるのは、瑞獣八家(ずいじゅうはっけ)の一つ、九尾狐王家(くびこおうけ)の世継ぎである焔来(ほむら)。
金毛九尾(こんもうきゅうび)狐の化身であり透きとおるような銀色の瞳を持つ彼は、とても美しく、そもそも九本のしっぽを持つのは、その一族でも滅多に生まれないという霊位の高い存在だという。
ハチワレ柄の仔猫である八緒(はちお)と押さない頃の出会うシーンは印象的で、挿絵でも描かれていますが、幼い焔来、可愛いです。
「俺にふれるのは無礼なことなのだ」
「どうして?」
「どうして、って・・・そういう決まりだからだ」
あまり感情を表に出すことを知らない焔来と、無邪気な八緒。
多数の候補者の中から選ばれた八緒は、焔来の遊び相手兼小姓として、御所の片隅に部屋をもらい、一日中焔来に付き従うことになる。
主人公の無謀な申し出
物語が動き出すのは、二人が出会ってから十数年後のこと。
八緒が偶然に、焔来の母親と側近が”御添い臥し” について話し合っているのを聞いてしまう。
"御添い臥し" とは? 高等な学問を学ぶ翰林院(かんりんいん)への入学をもって仔をおとなと見做し、しかるべき相手を選んで始めての床入りを務めさせる九尾狐家でのしきたりのこと。
つまり、手馴れた相手との一晩限りの初Hのお相手というか、手ほどきを受ける訳です。
公家という言葉が出てきたり、この辺何となく日本の平安時代頃がベースになっているみたいですね。
候補を語り合うのを聞いて、主人公、思わずその場に乱入。
(本来許されないほど無礼な行為)
「私ではだめですか・・・!?」
尽くし系健気キャラな主人公、かなり無謀。
経験ないくせにあると言い切り、男だし異種族である猫だし(同族であれば男でも妊娠可)身ごもったりしない!と力説して、見事お役目ゲット。
何という強気!
行動力あり過ぎでしょう!
経験ないのに、あると言い切って儀式に挑んじゃうあたり無謀というかアグレッシブというか。
でも何だかんだ言って許可されたのは、八緒の言い分と焔来の気難しく潔癖な性格が起因するようです。
身分差と種族差と嘘の代償
早々に”御添い臥し” で身体の関係を結んでしまい、エロシーン山盛り・・・なのですが。
健気で尽くし系の八緒と比較して、寡黙・無愛想で感情が読めないのが焔来。
八緒のことが気に入っているのは分かるのですが、どうも二人の間の意思疎通が微妙なような。
そう、一日限りの儀式の筈が、なし崩しに関係を続けているくせに、お互いの気持ちを全く伝えていないから。
主人公、物凄いところで積極的なのに、何故そこは弱気なんだ。
見どころは、身分差どころか寿命さえかけ離れている焔来の逃れられぬ義務と八緒が体調を崩してからの二人の関係でしょうか。
二人の間に走った決定的な亀裂。
不信と疑惑の中から浮かび上がる真実は?
焔来の婚約者候補である女の子や八緒の義兄、なかなかいい味出してます。
主人公は八緒かと思っていたら、焔来とのW主人公。
特に寡黙な焔来視点の気持ちが語られる後半部分で、物語に引き込まれました。
収録話
本編の後日譚。ラブラブいちゃいちゃな「九尾狐家妃譚~その後の褥~」と八緒の義兄に嫉妬しつつも手玉に取られる「番外編SS」。
どちらも焔来視点の物語です。
うん、結局めろめろですね。
■ブックデータ
タイトル:九尾狐家妃譚~仔猫の褥~
著 者 鈴木 あみ イラスト コウキ。 形 態 文庫 レーベル シャレード文庫 出 版 社 二見書房
【シリーズ一覧】 1. 九尾狐家妃譚~仔猫の褥~ 2. 九尾狐家奥ノ記 ~御妃教育~
【管理人評価】
・満足度 ★★★★☆(べた甘ですね)
・イメージキーワード
「人外・獣人」「猫」「狐」「主従」「身分差」「尽くし系」
・読後の感想
「不可解な状況に陥る後半シーンにときめきました」
【購入可能サイト】
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【余談】
人外・獣人系ということで、作者が意識して使っていると思われるのが「仔ども」や「使用にん」という言葉。
別に獣人系でも「人」という言葉は使っても違和感ないと個人的には思いますが、こだわりには納得。
ただ、一つ、ちょっと謎なのが「☆」。
「☆り(ほとばしり)」「☆った」という風に使われていたのですが、何故に「迸」の字を使わないんだろう?
意図的か誤植なのか迷った記載でした。