5人の王(ダリア文庫e)


タイトル5人の王(ダリア文庫e)(全3巻)
著者恵庭
イラスト絵歩
形  態単行本
レーベルダリア文庫e
出 版 社フロンティアワークス

「5人の王」が並び立つ壮大な異世界物語

ファンタジーな世界を書くということは、世界を一から創造するということだと思うんですよね。
そんなことをしみじみ思ったのは、今回読んだ「5人の王」。


何か面白い本はないかと思いながらYahoo!ブックスを眺めていたら目に入ったのがこちらのコミックス版。
原作があるということで小説の方に手を出してみました。
ええ、イラスト買いです。

世界観が素敵

物語は主人公セージが星読みとして青の王の宮殿に訪れるところから始まります。
「星読み」として宮殿に召された妹の身代わりにやってきた主人公は到着するなり、騒ぎに巻き込まれ青の王のものになってしまうのですが。

が。

今回、シリーズを一気読みして何やらもやもやした気分になったんですよ。
ファンタジーものが苦手という人は結構いますが、管理人は大好きです。
ファンタジーはファンタジーとして、世界に入り込むのが好きなんですよね。

今回の「5人の王」も設定がかなり凝っていて、わくわくするような雰囲気が漂っていました。

例えば、世界には5人の王がいて、それぞれをあらわす色があるとか、その証として手の甲にそれぞれの色の刺青が浮かんでいるとか。

王のものになった人間の身体には、ティンクチャーと呼ばれる印が浮かぶのだとか。

こういう凝った世界観、本当大好きなんです。

が。

読み終わった後、もやもやとしてしまったのは何故だろう。

それでいいのか?と問いかける

壮大な世界観はそれだけで管理人の「萌え」を刺激するのですが、それを阻むのは登場人物の行動でしょうか。

虐げられ体質の主人公だとか、冷たい青の王の態度とか、読む人の好き嫌いが分かれそうとは思います。

冷たいというか淡白な青の王の態度は、王らしいといえば王らしい雰囲気な気がして管理人的には違和感ないのですが。

だけど、一番の違和感は、『何故そうなった?』

例えば青の王が好きな人。
あの出会いでどうしてそこまで好きになったの?

青の王がしたこと。
え、それ気軽にそんなことしちゃう?

赤の王の存在。
あれ?途中から存在薄すぎない・・・?
※※が※※したって結局赤の王は※※だったの?

主人公が部下の人と※※しちゃう場面。
え、なんで突然?

結末のその後の世界描写の中の一文。
・・・ん?それってこの世界の大前提が崩れないか?

多分、作者の方は細かく世界と物語を構築されていて、「○○が○○する為に○○になる。」というような形で起こる出来事ありきで書き進めていかれたのかと。

そこに至るまでの登場人物たちの描写がなかったり、少なかったりで感情移入出来なかったのかと思います。

後から、「あー、ナルホドこういう展開に持っていきたかったのね。」と納得したものもあれば、「え・・・何故・・・・?何故そうなった・・・!?」と愕然とするエピソードも。

あ、黒の王の性格・行動だけは全く違和感なかったんですけど。
いいですよね、ぶれないで自分の趣味に走ってる人。

あと、この世界観とイラストは凄く合っていたと思います。
よくこういうイラスト付き文庫だと『イラストが作品を台無しにしてる!』という怒りの声を聞きますが、今回はイメージを深めてくれるプラス効果を感じました。

という訳で、今回の「5人の王」
管理人の感想は、「世界観大好き♡ でも感情移入出来ない・・・。」でした。

意外と2次創作で盛り上がりそうな作品ですね。

■ブックデータ

タイトル:5人の王
著  者  恵庭
イラスト 絵歩
形   態 単行本
レーベル ダリア文庫e
出 版 社 フロンティアワークス
【管理人評価】
 ・満足度 ★★☆☆☆(感情移入できないまま読了)
 ・イメージキーワード 
  「壮大」「複雑な設定」「生々しい」「地雷有」「設定ありき」
 ・読後の感想
  「設定好き!だけど納得がいかない・・・。」

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