タイトル | 甘えたがりなネコなのに。 | |
著 者 | 小中大豆 | |
イラスト | 金ひかる | |
形 態 | 文庫 | |
レーベル | 幻冬舎ルチル文庫 | |
出 版 社 | 幻冬舎 |
ギャップが呼ぶ主人公の不幸
タイトルからして管理人好みの物語な気がしてました!な「甘えたがりのネコなのに。」
ああ、購入して正解でしたよ。
ということで、レビュー開始。
本気で身体作りをしにくるアスリートか、筋肉を作り上げることが趣味の筋肉マニア、身体を動かさずには生きていけない、トレーニングマニアばかり
そんな濃い人が集う『プラチナ・ジム』でインストラクタとして働く主人公の亮平(りょうへい)。
客に髪色や服装を褒められたのに、反応が鈍いのは何故なのか。
「チャラい・・・」
鏡に映る自分の姿を見てため息をつくのは、内面と容姿のギャップのせい。
細マッチョで高身長、友人の美容師に『素材がいい』と言われる亮平は、
鈍臭いし、対人スキルは低いし、思考が乙女っぽい
夢見るローティーンな”冴えない”中身と中年や年寄りから受けが悪い軽薄そうな外見。
いやいや、そのギャップ自分で何とかしようよ!
と思うけれど、そうしないのは、やはり亮平の”冴えない”受け身体質のせいでしょうか。
人助けから始まる不幸
そんなギャップを抱える主人公が、数ヶ月ぶりの友人にゲイバーに呼び出されたことから、物語は動き始める。
「ねえ、亮平。俺の恋人の振りしてくれないかな」
童顔で清潔感もありながら色気もある美少年・翔一に頼まれたのは、しつこく言い寄る男を振り切る為の恋人の振り。
容姿と真逆な内面を持つ亮平は、恋愛もネコ(受け)。
年上のちょっと怖そうな男に乱暴にされたいというM気質なのに、好きになってもらえるのは翔一寄りの線の細いネコばかり。
好みの男性からは、ライバル視されて甘い関係になるどころではないし、ネコ気質なのにネコ気質としか恋愛する機会に恵まれず恋愛に本気になれず長続きしない。
通りすがりに一目惚れしたのは、
男臭くて怖い感じなのに、振る舞いが紳士的な人。
だけど、その人は寄りにもよって翔一の別れたい相手・古賀正治(こが せいじ)。
別れさせる為に翔一の恋人(本命)役をした亮平は、正治に殴り飛ばされることに。
驚くのはですね。
不幸はこれだけじゃないんですよ。
恋愛面だけでなく、日々の生活の中でも主人公にこれでもかと降りかかる不幸の連鎖。
中身、まっすぐで純粋な凄くいい人なのに!
もう翔一と容姿交換してもらいなよ!
という位、美少年的容姿にぴったりな性格なのに!
普通BLといえば、ゲイな自分が周囲に受け入れられなかったり、周囲にとけ込めなくて葛藤するという話じゃないの?
容姿でここまで虐げられて不幸臭漂う主人公、凄いよ!
不幸の連鎖と不憫主人公
いつも餌をやっている人なつこい野良猫の富蔵さんと虐待を受けた犬を保護した主人公が、ごろごろ誤解と勘違いの中、不幸の中を転がって
あのなあ、先に言えよ、そういうことは!
抱いちまったじゃねぇか
うん、いや凄いよね。
翔一の本命と勘違いされて殴り飛ばされた相手とベッドイン。
何がどうしてこうなった・・・という流れではあるんですが、これ、まだ物語の序盤ですよ?
ということで、不幸の坂を転がって、勘違いから生まれた正治との関係はどうなるのか?
そもそも正治はどんな人間なのか?
不幸体質の主人公の健気さと転がりぶりを見守る。
そんなお話でした。
あ、エロも濃厚でした。
濃厚だけどくどくない。
そんなバランスもいいですよね。
巻末の電子限定おまけは、元ノラネコ富蔵さん目線のショートストーリー。
泣けます。
優しい人は、幸せになってほしい。
これ、最後に持ってこられると負けますわ。
ほろりと涙腺ゆるむようなショートストーリーを読み終えて、文句なしの5つ星評価です。
■ブックデータ
タイトル:甘えたがりなネコなのに。
著 者 小中大豆 イラスト 金ひかる 形 態 文庫 レーベル 幻冬舎ルチル文庫 出 版 社 幻冬舎
【管理人評価】
・満足度 ★★★★★(主人公・攻め両方好き!)
・イメージキーワード
「ギャップ」「年の差」「犬」「ネコ」「無垢な主人公」「不幸の連鎖」
・読後の感想
「ちょい怖攻めと善人気弱な主人公がいい!」
【購入可能サイト】
・Amazon
【電子限定おまけ付き】 甘えたがりなネコなのに。 (幻冬舎ルチル文庫)
・楽天kobo
【電子限定おまけ付き】 甘えたがりなネコなのに。【電子書籍】[ 小中大豆 ]
・Renta!
【電子限定おまけ付き】 甘えたがりなネコなのに。
・eBookJapan
【電子限定おまけ付き】 甘えたがりなネコなのに。
【余談】
主人公亮平が働くガチトレーニングマニアな人々が集う『プラチナ・ジム』。
プラチナ・・・。
ああ、モデルは都内でよく目にするゴー・・・げふんげふん。
余計なところでニヤニヤしていた管理人でした。