水底の花嫁 (ソーニャ文庫)

タイトル水底の花嫁
著  者山野辺りり
イラストDUOBRAND
形  態文庫
レーベルソーニャ文庫
出 版 社イースト・プレス

予想を超えた記憶の衝撃

ニアには、三ヶ月以上前の記憶がない。

記憶喪失ネタはよくあるけれど、あっさりと物語に引き込まれたのは「水底の花嫁」
涙なくしては読みきれない作品でした。

それではレビュー開始。

満身創痍な主人公

優しい老夫婦に拾われた主人公。
三ヶ月前のある夕暮れに河べりに打ち上げられていたという。

物語は記憶を失った主人公ニアが平穏を取り戻した頃(事故から3ヵ月後)からスタートします。
記憶喪失ネタはこれでもかという程読んできましたが、ここまで心身ともにダメージを受けているパターンは珍しいような・・・。
大体記憶を失った時には、親しい人が側にいるものですからね。

その平穏を壊したのは村には不釣合いな程の豪奢な一台の馬車。
家の中から現れた背の高い男。

子どものように喚くなどみっともないが、湧き上がる恐怖で淑女としての矜持など吹き飛ばされる。握り締めた手は真っ白になって震えていた。

「君がどんなに否定しようと、私たちが神に認められた夫婦であるのは変えられない。セシリアに関する権利は、私にある。 」

何でしょうこの主人公の怯えっぷり!
傲慢で強引なヒーローの物言いもドキドキしますね!(エ

物語早々に不穏な空気が渦巻く流れにミステリー好きの血が騒ぎます。
はたして、何があったのか?

記憶の扉が開く時

あまりに不穏な物語の始まりですが、熱烈な旦那様。
ラブラブというか、エロい。

が。

やっぱり不穏な始まりは伊達じゃなかった!
記憶が戻った時の描写は正直震えが来ましたよ。

うう、何を書いてもネタバレになりそうですが、主人公の真っ直ぐさ。
夫であるアレクセイの複雑な事情と思い。
それらがうまくかみ合って、何という怒濤の展開。
ドラマチックですねぇ!

いやもう記憶喪失にもなるさ!
なるよ逃げるよ拒否するさ!

涙ぼろぼろ流しながら読了。

ありふれた展開かと思いきや大満足の波乱万丈ストーリーでした。

■ブックデータ

タイトル:水底の花嫁
著  者  山野辺りり
イラスト DUOBRAND
形   態 文庫
レーベル ソーニャ文庫
出 版 社 イースト・プレス
【管理人評価】
 ・満足度 ★★★★☆(泣けた!)
 ・イメージキーワード 
  「記憶喪失」「泣ける」「復讐」「エロい」「波乱万丈」
 ・読後の感想
  「あー、泣いた!」

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