五龍国物語 皇帝陛下の閨指南役 桃蜜の褥[1]

タイトル五龍国物語 皇帝陛下の閨指南役 桃蜜の褥[1]
シリーズ五龍国物語
著  者白ヶ音 雪
イラスト篁ふみ
形  態文庫
レーベルeロマンスロイヤル
出 版 社KADOKAWA / エンターブレインDMG

皇帝の閨事指南

龍の血を色濃く継ぐ者が治める五龍国。
厳寒の地を治める氷麗族(りょうれいぞく)の長である氷咲(ひさき)の元にやってきた使者が告げたのは、皇帝陛下の閨の指南役として城へ来いという知らせだった  

エロ重視かと思ったら、さばさば姉御肌的主人公が小気味よい「五龍国物語 皇帝陛下の閨指南役 桃蜜の褥」。

それでは、レビュー開始。

皇帝陛下の閨事情

「どうか、皇帝陛下の閨の指南役として、雷帝(らいてい)城へといらせられませ」
「・・・は?」

二十九歳の皇帝である雷零(らいれい)が閨の指南役を持つことになった理由。
それは、彼の女嫌いから。

子どもが生まれても三歳まで育ちにくく、寿命が長いにも関わらず五十を越せば子を生せなくなる。
そんな種族的な問題があるにも関わらず、中々結婚しようとしなかった皇帝に対して、行く末を心配する家臣達がやっとのことで承諾させた結婚は、皇帝によってたった一人を妻とする条件が付けられていた。

一刻も早く多くの子を作らなくてはならない。
だが后となる者はたった一人。
既に選出された姫は十四歳。

まずは后を迎える前に、皇帝に女の扱いや、女を悦ばせる手練手管を教えなければならない。

要するに心配性の周囲が仕組んだ余計なお世話的なお話だったりします。
まあ、でも周囲が心配するのも無理はない。
十四歳の后を迎える皇帝が二十九歳の童貞ですから、ええ。
失敗したら、それは悲惨なことになるかと。

主人公のさばさば感

序盤の設定だけを読めば、ただ濃厚な濡れ場が続くだけのエロ小説(失礼)かと思ったのですが、意外とさっぱりというか、閨指南なのでエロシーン満載ではあるのですが、くどい印象なく楽しめました。

それは、やっぱり主人公の性格でしょうか。

五つ年上の女族長。
男物を身にまとい、一族の誰よりも強い戦士である彼女には、結婚していた経験もあり  

乗り気でない彼女が渋々引き受けたのは、極寒の地である一族の地への支援が約束されているから。

なんかこう・・・男前なんですよ!

そして皇帝の乳兄弟であり、今回の閨指南を企てた美貌の宰相・露厳(ろうがん)の性格がかなりいいです。

「・・・ありていに言えば、巨根です」

閨指南なんて不要だろうという氷咲に飄々と下品な言葉を口にする美貌の宰相。
マジメで融通の利かない皇帝・雷零(らいれい)と真逆な性格で、別にふざけている訳ではないのに、氷咲や雷零との会話は面白いです。

主人公と皇帝

「またずいぶんと年嵩を寄越したのだな」

女嫌いの皇帝は、女心を分かっていないというか、まさに空気が読めないタイプ。

さすが童貞。

氷咲に見も蓋もない感想を持たれる雷零の閨でのうろたえぶりは、二十九歳とはとても思えず、大丈夫かと心配になる程。

氷咲に対して、閨の外でもどうしていいのか分からずうろうろおろおろする雷零に対して、閨の中でも外でも自分のペースを崩さない氷咲。

人外系(龍族)の設定って、本当エロいなぁと思うシーンあり。

二人の関係がどう変化していくのか。
唯一の后を持つまでの短い間だけの閨指南。
望んでも続けることが許されない諸事情。

その辺が見どころでしょうか。

ちなみに全2冊完結のこちらのお話。
1冊目では、脱童貞さえ出来ていない(ラブラブには程遠い)ので、2冊同時に読むことをオススメします。

タイトル五龍国物語 皇帝陛下の閨指南役 桃蜜の褥[2]
シリーズ五龍国物語
著  者白ヶ音 雪
イラスト篁ふみ
形  態文庫
レーベルeロマンスロイヤル
出 版 社KADOKAWA / エンターブレインDMG

■ブックデータ

タイトル:五龍国物語 皇帝陛下の閨指南役 桃蜜の褥
著  者  白ヶ音 雪
イラスト 篁ふみ
形   態 文庫
レーベル eロマンスロイヤル
出 版 社 KADOKAWA / エンターブレインDMG
【管理人評価】
 ・満足度 ★★★★☆(星評価4.5)
 ・イメージキーワード 
  「閨事」「指南」「姉御肌」「獣人・人外」「婚姻」
 ・読後の感想
  「エロしかないかと思ったら、本編以外で涙した」

【購入可能サイト】
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【余談】

今回評価高めなのは、どう考えてもエロしかないだろ的な設定で、もう本当にヤッてるだけの小説じゃないか(下品で失礼)と予想していた管理人を裏切る登場人物たちの魅力。

さばさば主人公。
おろおろ・うろうろな年下皇帝(でも二十九歳)。
飄々と微笑む美貌の宰相。

でもですね、2冊目の巻末に収録されている「愛なき婚姻」がなければ、ここまで高評価にはならなかったです。

それ程、皇帝に嫁いできた炎鮮(えんせん)族の姫・紅彩(こうさい)の扱いが酷す過ぎる。
ええ、胸糞悪い(失礼)と言っていい程に。

それが最後の最後「愛なき婚姻」を読み終えてやっと、落ち着いた訳です。
最後の一文を読んだ瞬間のじんわりと心震えるような感動。
何だこの人間ドラマ!

終わりよければ全てよし。
「愛なき婚姻」をもって胸糞な展開を含めて一つの物語だと、一気にもやもやを吹き飛ばす威力がありました。