いつか王子様が ~グランディエ公爵の遺言~ (マリーローズ文庫)

タイトルいつか王子様が ~グランディエ公爵の遺言~
著  者日向唯稀
イラストなま
形  態文庫
レーベルマリーローズ文庫
出 版 社コスミック出版

ごめん、心の声はしまってくれないか。

思わず呟いたのは、「いつか王子様が ~グランディエ公爵の遺言~」。

文体が苦手というのはこういうことか!
と管理人を愕然とさせた作品。

それではレビュー開始。

お家断絶の危機に立ち上がる家人たち

「ウォルト・・・。ウォルト・・・。」

物語はリック・レイモンド・グランディエ公爵が生死の境をさまようシーンから始まります。
死を目前にして公爵が思うのは、20年前のこと。
異国の地に留学させていた息子ウォルトは、異国の妻と子を伴っていた。
王の愛娘を婚約者に持つ息子の行動に激怒するレイモンド。

そりゃそうだ。

レイモンドに許されぬウォルトは自らグランディエの名を捨て出奔。
それから時を経て死の間際に息子夫妻の死を知ったグランディエ公爵は孫息子に遺言状を託し息を引き取ったのでした。

さあ!息子を説得してぜひともグランディエの領地に戻って来てもらわねば!
そんな感じでお話が始まったのですが。

下品嫡子と流され近侍

レビューの為に読み直して思ったこと。
主人公は公爵の近侍を務めるジュリアン・オースティン。
少女ながら信頼厚く・・・って、実際何の仕事をしているんだ?
女の子で公爵に仕えるなら「侍女」じゃないのかなぁ。
他の上の年代の使用人はいないの?

遺言書を持って、嫡子であるダグラスを迎えに走るジュリアン。
女の子が異国の地に馬を駆って迎えにいくというのは、ちょっとした違和感が。
一応話の中でも触れられているのですが、危険じゃないの?

案の定、ダグラスにいいようにされているし。
ジュリアンとダグラスの出会いのシーンは面白かったのですが、ジュリアン・・・世間知らず過ぎる。
おばかと言っていい程に。

いや、深窓のお姫様とか箱入り娘なら分かるんですよ。
でも上級使用人である近侍なんですよね。

大事な遺言書を酒場で渡すかなぁ。
そういう話を大衆酒場でするかなぁ。

ダグラスも行動に一貫性がなさ過ぎる。
不審な人間と寝るな。
相手がはじめてだって、気付くのが遅すぎる。
他にもごにょごにょごにょ。

市井にいたから下品な部分あり?なヒーローとナニソノ流され体質・・・と突っ込みを入れたくなる程のヒロインの流されっぷりに引いてしまい感情移入できず。

文章が苦手です

辛口というか刺々しいレビューになってしまうのは、読んでいて苦痛を感じる部分が。
それは心の声。
一応三人称で進められている物語なんですが、何故か途中主人公の心の声が『』の中に書かれます。
いや、待って、『』は普通過去の会話に使われるものだから。

何で『』で書くんだろう。
「」の会話と主人公の『』心情記述、そして地の文と読み進めると多重音声でテレビを見るような不快感が。

だって三人称の中に一人称が混ざる入れ子式の文章ですから。

これ、編集者はチェックしなかったのかな。
色々本を読んできましたが、こんな形の違和感を感じる作品は初めてです。

■ブックデータ

タイトル:いつか王子様が ~グランディエ公爵の遺言~
著  者  日向唯稀
イラスト なま
形   態 文庫
レーベル マリーローズ文庫
出 版 社 コスミック出版
【管理人評価】
 ・満足度 ★☆☆☆☆(内容よりも文章が)
 ・イメージキーワード 
  「苦手」「身分差」「統治」
 ・読後の感想
  「内容があまり頭に入ってこなかったな・・・。」

【購入可能サイト】
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【余談】

管理人の苦手意識をかなり刺激したこちらの作品。
ネット上の口コミ評価は高いです。
口コミ高評価=自分の評価とは限らないんだな・・・と実感した作品でもありました。