真昼の復讐者(上)(下) (扶桑社ロマンス)


タイトル真昼の復讐者(上)
原 題High Noon
著 者ノーラ・ロバーツ
翻 訳長島 水際
形  態文庫
レーベル扶桑社ロマンス
出 版 社扶桑社

プロフェッショナルな女性は美しい

アイルランドのお祭りの日・セント・パトリックスデーに主人公フィービー・マクナマラは、休日を返上し飛び降り自殺をしようとしている男性の元へと向かう。

休日を家族と楽しむアットホームな雰囲気と警察官として男性の中で有能さを発揮して働くスピード感。

その2つの兼ね合いが、とてもノーラ・ロバーツらしい物語な「真昼の復讐者」。

それでは、レビュー開始。

小説で海外文化に触れる

ノーラ・ロバーツの小説を読んでいつも思うこと。
それは、性欲がメインになりがちなロマンスの中でも、家庭的なこと、そして家族をとても大切にしていることが伝わってきます。

物語冒頭に描かれるのは、パトリックス・デーの一コマ。

冒頭、休日を返上して現場に駆けつける主人公フィービーは、”カーキ色のパンツにシャムロックグリーンのTシャツ”姿。

事件を解決し、家族の元に戻ったフィービーに、同居人のアヴァが声をあげる。

「レモネードをどうぞ。しぼりいたてよ!」
「ミントをたっぷりくわえたから、セント・パトリックスデーにふさわしいグリーンもちゃんと入ってるわ」

調べてみると、アイルランドにキリスト教を伝えた聖パトリックにちなんだ祭日であり、アイルランドでは1200年、アメリカでも250年に渡って祝われている歴史があるんだとか。

物語にちらほら出てくる描写の通り、その日は、緑色のものを身につけたりするそう。

日本でもこの3月17日のパトリックスデーにちなんだ催しがあちこちで開催されている模様。
全く知りませんでした!

海外小説を読んでいると、こういう日本にないイベントごとの描写を多々目にしますが、やけに楽しそうに見えますよね。

小説の中でしか目にする機会がなかったハロウィンが今や周知のイベントとなったように、セント・パトリックスデーも何年後かには当たり前のように日本に馴染んでいるのでしょうか。

命を預かる交渉人

フィービーの仕事は、警察官といっても特殊な”交渉人”。
冒頭のシーンのように、今にも自殺しようとしている人間を押し留めたり、人質を取り篭城する犯人に向かって、神経を逆撫でしないように気をつけながら事件を解決に導いたり。

興奮して己や他人を今にも傷つけようとしているよく知らない相手に向かって、話掛けなくてはならない難しさ。
そして、自分の行動の結果、簡単に命が失われるプレッシャー。

なかなか有能な主人公ですが、無事やり遂げたと思った瞬間。
投降しようと現れた犯人が、一発の銃弾に倒れたところから、物語は緊張感溢れたものに。

完全なる解決を前にして、放たれる筈のなかった一発の銃弾。
規制が敷かれていたその現場で、銃を撃った警察官はいないという。

犯人は、誰なのか。
そして、その目的は?

最後の最後になるまで明かされぬ犯人に、最後まで手に汗握ります。

重大な問題を抱える温かな家族

お互いがお互いをとても大切に思い合っているフィービーを取り巻く家族。
とても温かなその環境の中に、実はとても重たく横たわる問題が。

怒りや恨み、そして悩みを抱えつつも真っ直ぐに立つ主人公は、やっぱり強いです。

家庭でも、そして、職場でも問題多発する中、折れない彼女は本当に強い!

そして肉食系・・・。
がっつりなその行動は、ノーラ・ロバーツの描く小説の登場人物としては珍しい気がするのですが、どうでしょう。

うーん、やっぱり警察官。そして緊張感溢れる交渉人という役を勤め上げるだけあって、タフですね。

風変わりな経緯の大富豪・ダンカンは、シングルマザーのフィービーとの関係をするりと上手に築く如才なさ。

出来すぎな男でしょ!という彼とのロマンスよりも、犯人との息詰まる攻防の方に意識が向く物語でした。

タイトル真昼の復讐者(下) (扶桑社ロマンス)
原 題High Noon
著 者ノーラ・ロバーツ
翻 訳長島 水際
形  態文庫
レーベル扶桑社ロマンス
出 版 社扶桑社

■ブックデータ

タイトル:真昼の復讐者
著   者 ノーラ・ロバーツ
翻 訳 者 長島 水際
形   態 文庫
レーベル 扶桑社ロマンス
出 版 社 扶桑社
【管理人評価】
 ・満足度 ★★★☆☆(サスペンス)
 ・イメージキーワード 
  「警察官」「働く女性」「シングルマザー」「家族愛」
 ・読後の感想
  「犯人がかなり後の方になるまで正体が分からずハラハラ」

【購入可能サイト】
・Amazon
真昼の復讐者(上) (扶桑社ロマンス) ※紙書籍
・楽天kobo
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・hontoなし
・ハーレクインライブラリ

【余談】

ちなみにこの物語のヒーローの名前は「ダンカン」というのですが、何か見覚えがあるのでノーラ・ロバーツの他作品に出てきたのかと勘違い。
うん、下巻から読み始めていたことに下巻全て読み終えるまで気付かなかったという痛恨のミス。
いやぁ、過去の事件とか登場人物が口にする描写が出てきても「前の作品か何かで出た事件なのね~」と軽く流していた自分の思考が、今思えば謎。